崩壊寸前の中国不動産業界 中国共産党が住民から資金を吸い上げる詐欺構造=専門家

2024/04/14
更新: 2024/04/15

経済の減速と不動産市場の問題が続出する中、中国経済の重要な柱である不動産業界において、販売オフィスの前に長い行列が並ぶというような異例の光景が目撃された。こうした現象は、中国の不動産業界が直面している現実を象徴するものであると言われている。ある中国問題専門家は、中国共産党の不動産政策は「国民からの搾取」が根底にあるとし、「国民は貧しく、共産党だけが豊か」と批判している。

複数の不動産企業が清算手続きへ

4月8日、中国の大手不動産企業である世茂集団は、香港証券取引所において声明を発表した。それによると、中国建設銀行は4月5日に香港高等法院に対して、世茂集団に対する清算申立てを行い、関連する財務責任は2億米ドル(約306億円)に達している。

声明発表後、世茂集団の株価は14%以上も下落し、0.39香港ドル(約7.6円:4月12日時)まで落ち込んだ。

2021年、世茂集団のキャッシュ・フローが危機的に悪化し、2022年7月には予定されていたドル建ての債務の利息の支払いができず、クロスデフォルトの条項が発動された。2023年の年末には、世茂集団の純負債比率は473.2%に達し、前受け金を除く資産負債比率は88.7%になった。

中国の主要な不動産企業が次々と問題を抱え、経済成長が著しく鈍化している中、中国建設銀行が世茂集団に対する資産の清算を求めたことで、この危機はさらに深刻化している見込みである。

今年1月、香港の裁判所は恒大集団に資産清算を命じた。3月末には、別の大手不動産会社である碧桂園が取締役会の決定を受けて、香港での株式取引を一時的に停止した。さらに、万科を含む他の大手不動産会社も様々な危機に直面し、非常に不安定な状況が続いている。

中国不動産業界の苦肉の策

1)住宅展示会場に長蛇のサクラの列

ハルビン市にある不動産開発会社の販売センターの外で長蛇の列が並び、通行人の目を引いていた。中には、何が起きているのか興味本位で尋ねる人もいた。

実際に聞いてみると、ただ列に並ぶだけで最低10元(約210円)がもらえるという。

この噂はインターネットで広まり、人々が住宅を購入するために競って並んでいると話題となった。

この話を聞いた人々は、なぜハルビンがこんなにも盛り上がっているのか疑問に思った。

実は、ハルビン市は新築住宅の購入者に約20%の補助を提供するという政策を打ち出していた。つまり、100万元(約2100万円)の住宅を購入すると、20万元(約420万円)を節約できる計算になる。

この魅力的な政策を背景に、販売戦略もそれに応じて展開されている。サクラを使い、販売センターに長い列を作り出し、あたかも盛況を呈しているような演出をしていた。

実際に、人を雇って住宅購入者のふりをして列に並ばせる行為は、この販売センターに限ったことではなく、中国の不動産業界において一般的なマーケティング手法として知られている。例えば、主要な都市のいくつかでは、購入希望者を装って並ぶことで、1日に100元(約2100円)を稼ぐことができ、場合によっては200元(約4200円)もあり、あるいは植物油や米などの食料品が提供されることもある。

2)「旧宅を新宅に交換」政策で販売促進

中国の不動産市場では、最近「旧宅を新宅に交換」という新しい政策が注目されている。

4月1日には、中国で注目される二線都市であり、国家中心都市でもある河南省の鄭州市が、「中古を売って新築を買う – 旧宅を新宅に交換」というプログラムを発表した。

このプログラムには2つの方法がある。1つは、鄭州市が市の開発業者を通じて中古住宅を買い取ること、もう一つは、中古住宅を市場で自由に売買した後、新築住宅を購入することである。この計画の目標は、今年中に5千軒の中古住宅を新築住宅と交換することである。

「旧宅を新宅に交換」政策は、鄭州市が最初に導入したわけではなく、2023年以降、少なくとも30の都市がこの政策を採用し、その実施方法は鄭州市のものと大きく変わらない。 

しかし、不動産の専門家は、市場を活性化させるには、需要を喚起するだけでなく、供給方での構造改革を行うことが不可欠であり、雇用を創出し収入を増やすことで住宅価格を安定させることが根本的に重要であると述べている。
 

3)「一軒買えば、もう一軒無料」の不動産キャンペーン

4月7日、不動産開発に関するあるプロモーションが業界内で大きな注目を集めた。清明節の期間中、北京市通州区の住宅プロジェクトでは「買えばもう一つ無料」というキャンペーンが始まった。77平米の2LDKを購入すると、山東省の煙台市で108平米の海の景色を望む住宅が無料で手に入る。

これについて、北京市の住宅不動産業界の商工会議所の会長は、「このプロモーションは特異な事例であるものの、『両地域の不動産市場の現状を間接的に反映しており、他の不動産業者にとっても参考になるだろう』と述べている。

現在、多くの不動産開発業者が在庫処分や資金調達に苦労しており、資金繰りのためにさまざまな手段を講じている。

北京市では新築住宅の販売が低迷しており、特に通州区では販売が不振である。一方、煙台市では近年、海辺の物件が高い在庫と空室率に苦しんでおり、在庫処分が大幅に遅れている。このような厳しい不動産市場の状況が、異例の「1つ購入で1つ無料」キャンペーンを引き起こした背景だ。

中国共産党の不動産開発は巨大詐欺

アメリカ人口研究所の所長で中国問題に詳しいスティーブン・モーシャー氏は最近、英語版大紀元の「アメリカ思想リーダー」のコラムでのインタビューにおいて、中国の不動産市場が崩壊しつつあると指摘した。中国の不動産市場は経済の約60%を占め、多くの中国人が財産を不動産に投資しているが、それらは突然消失するリスクがある。

モーシャー氏は、アメリカ人として初めて中国で社会科学の調査を許可された人物で、1979年に中国を訪れた経験がある。彼は中国とその人々に深い愛情を持ち、中国の実情に詳しい。

彼の見解では、中国共産党の腐敗が深刻で、官僚たちが不動産ビジネスを通じて不正利益を得ており、それが過剰建設を引き起こしている。現在、中国には約7千万から8千万件の空き家が存在し、新規住宅建設を止めたとしても、これらの在庫を処理するのには何十年もかかるだろう。モーシャー氏は、「中国共産党が依存する不動産開発の巨大なポンジスキームの詐欺的構造が崩壊しつつある」と警告している。

モーシャー氏によると、中国の農村地帯で共産党は公然と土地を没収し、窃盗行為を行っている一方、都市部ではその方法は隠されているが、最終的な目的は「一般市民を貧しくし、共産党を富ませること」にあると述べている。

中国共産党は、中国人が貧困から脱出できたのは自分たちの功績であると主張しているが、モーシャー氏はそれが中国の人々自身の努力によるものだと強調している。

モーシャー氏は「中国の人々は、世界でも特に勤勉で賢明な民族の一つだ。彼らに少しのチャンスさえあれば、自分たちの状況を向上させ、家族の生活をより良くすることができる」と述べている。

このように、中国の不動産市場は深刻な問題に直面しており、その構造的な課題と政治的な問題が絡み合いながら、経済全体に影響を及ぼしているのが現状である。専門家たちの指摘により、この危機が今後どのように展開していくか、世界中の市場関係者や政策立案者にとって注目の焦点となっている。
 

呈工
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