5月13日夜、北京市内に直径4〜5センチの巨大な雹(ひょう)が降り注ぎ、広範囲にわたって車両被害が発生した。
露天駐車場では、車が次々と破壊され、SNS上には砕けたガラスや派手に凹んだ車体の写真が相次いで投稿され、「車の大虐殺」と揶揄される事態となった。
明けた14日朝には、修理を求める車のオーナーが、修理工場や販売店に殺到した。開店前から50人以上が並ぶ店舗もあり、ほとんどの修理店が受付を打ち切る満員御礼状態になった。特に被害の大きかった石景山区や海淀区では、対応が追いつかず、軽傷の車は後日対応を余儀なくされた。
北京市金融監管局によると、14日17時時点で、市内の自動車保険の申請件数は、約4万5千件、推定損害額は3億元(約60億円)を超えている。
なお、これは車両保険に加入していた分のみの集計であり、保険未加入の被害車両を含めれば、実際の損害規模はさらに大きいとみられる。
中国では義務保険のみではこうした雹による損害は補償されず、自然災害時に、各保険の格差が浮き彫りとなった格好だ。
(2025年5月13日夜に北京を襲った「氷の弾丸」とその被害)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。