アメリカのトランプ大統領は5月23日、自身のSNSを通じて、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画について支持を表明した。トランプ氏は「多くの検討と交渉の結果、USスチールがアメリカに残り、本社も引き続きピッツバーグに維持されることになった」と発表したうえで、「この取り組みはUSスチールと日本製鉄の間で計画された提携であり、少なくとも7万人の雇用を生み出し、アメリカ経済に140億ドル(約2兆円)の経済効果をもたらす。これはペンシルベニア州の歴史上、最大の投資となる」と述べた。
トランプ大統領はまた、「私の関税政策は、鉄鋼製品が再び、そして永遠に“メイド・イン・アメリカ”であることを保証する」と強調し、米国内の産業保護政策の継続を示唆した。
日本製鉄は、トランプ政権による買収承認を条件に、USスチールの事業に対して140億ドル規模の投資を計画している。これは新たな製鉄所の建設などを含み、2028年までに110億ドル、その後数年で140億ドルまで増額する方針とされる。この投資計画は、当初の27億ドルから大幅に拡大されたものであり、アメリカ経済への波及効果が期待されている。
USスチールの買収計画については、アメリカ政府の対米外国投資委員会(CFIUS)が安全保障上の観点から再審査を行っていたが、トランプ大統領は今回の発表で「米国の安全保障に懸念は生じない」との判断を示したとみられる。
今後は、トランプ大統領が6月5日までに最終的な買収承認を判断する見通しであり、日米両国の鉄鋼産業や地域経済への影響が注目される。
日本製鉄は「現時点でまだコメントしない」としている。
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