アメリカ政府がハーバード大学の留学生受け入れ資格を取り消すと発表したことで、ハーバード大学と中国共産党(中共)の関係がますます注目を集めている。
評論によれば、中共は多くの国際的に有名な大学を利用し、その技術成果を盗み、浸透を行う拠点に変えているため、西側諸国は教訓を得るべきだと警鐘を鳴らしている。
5月22日、米国土安全保障省(DHS)のクリスティ・ノーム長官は、ハーバード大学の学生および交流訪問者プログラム(SEVP)の認証を終了するよう命じた。
国土安全保障省は、ハーバード大学が中共と長期的に協力しており、規則違反の疑いがあると指摘している。
例えば、中共の準軍事組織である新疆生産建設兵団(XPCC)は、ウイグル族に対するジェノサイド犯罪に関与している。
2020年、米国財務省がこの兵団を制裁リストに載せた後も、ハーバード大学はその幹部に研修を提供し続けた。
さらに、ハーバード大学は中共側と協力し、イランの諜報員が資金提供したプロジェクトを実施し、軍事的背景を持つ中国の大学とも連携している。これには米国防総省の資金を用いた航空宇宙や光学研究も含まれている。ハーバードはまた、中共の国防産業基盤に関与する個人と協力し、軍事利用可能なロボット研究なども行っている。
台湾国防安全研究院の沈明室研究員は、「中国(中共)はハーバード大学やアメリカのトップ大学から最先端の技術や知識を学ぼうとしているが、一方で大学に浸透し利用して、統一戦線工作の後に大学を自分たちのために使おうとしている。また、様々な寄付の手段を通じて、多くの中国人がハーバード大学に留学できるようにしている」と述べている。
沈明室研究員は、中共がハーバードなどの名門大学と提携するのは、西側に対して認知戦や技術戦を展開するための拠点を築くためだと指摘している。
例えば、北京の「千人計画」は、西側の著名な学者を買収し、研究成果を中国に移転させ、中共の代弁者として活動させることを狙っている。
沈明室研究員はこれらの教授や千人計画、大学が中国の対外宣伝の主要なプラットフォーム、あるいは統一戦線拡大の主要なメディアとなるのだ。これは中共の常套手段だと述べている。
ハーバード大学と中共の協力は長年にわたり、多くの研究や交流プロジェクトを共同で立ち上げており、関係は非常に密接だ。2024年のハーバード大学の留学生の中で、中国人学生は約5分の1を占めている。
沈明室研究員は次のように述べている。
「中共の許可を得て海外留学できる人は多くない。どの大学に申し込むか、何を学ぶかは、実際には党や組織が手配しており、どの教授に近づき、どの教授からどの技術を学ぶかも、すでに決まっている」
そのため、ハーバード大学は中国側を背景に持つ多額の資金提供を受けており、アメリカ社会の各方面で懸念が広がっている。
またオーストラリア在住の歴史学者、李元華氏は次のように述べている。
「ハーバード大学と中国の関係は、中共の世界への浸透を示している。教育分野でのいわゆる協力や、個人名義での政治的寄付によって、これらの大学は中共が先進国の技術を盗み、政治的観点を輸出し、海外でその言論を拡散する拠点となっている」
香港の不動産王、陳啓宗氏は2014年にハーバード大学のために3億5千万ドルの寄付を仲介した。彼は「中美交流基金会」のメンバーであり、この組織は香港に本部を置き、アメリカでは外国代理人に指定されている。
李元華氏は「西側全体は、中共がハーバード大学に浸透したことから教訓を得るべきだ。経済的な観点や自校の利益にとらわれず、共産主義が人類に与える害、特に自由社会や国家安全保障への影響を再考し、中共との関係を見直す必要がある」と述べている。
19日、米国下院の中共特別委員会のジョン・モーレナール委員長らが連名で公開書簡を発表し、ハーバード大学のアラン・ガーバー学長に対し、中共と関係するすべての機関との取引詳細と記録を議会に提出するよう求めた。
公開書簡では、ハーバード大学が行ってきた不適切な行為の事例を挙げ、中共による臓器強制摘出犯罪の証拠が増加している中で、なおもその研究協力を続けていることを指摘している。
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