「個人情報の保護」を叫ぶその裏で、監視カメラ、顔認証、通信傍受を駆使して、国民を丸裸にしてきた中国共産党体制は、自らの素顔を暴かれることに怯えている。
5月27日、中国のインターネット管理部門は、SNS上で他人の個人情報を調べ上げて晒し、炎上や攻撃を煽る「ネット私刑」行為の徹底取締りを発表した。
対象はウェイボー(微博)、抖音(TikTok中国版)をはじめとする主要プラットフォームで、「ゼロ容赦」での取り締まりを求めている。
この動きに対し、専門家らは「本当の目的は、プライバシー保護ではなく、特権階級に向けられた世論の監視の芽をむことにある」と指摘した。
実際、過去にはSNS上の暴露によって数々の腐敗が明らかにされてきた。北京協和医学院の「偽医者」問題や、女優の高級イヤリングが発端となったその父親の汚職疑惑などがその一例だ。
こうした市民による告発が相次ぐなか、中共政権は「問題を起こした人物」ではなく、「問題を告発した人物」への処罰を強めている。情報の「暴露者」を口実にアカウント凍結、グループ解散、刑事訴追すらも辞さない構えだ。
さらに問題なのは、この「ネット私刑」の背景に、公権力そのものの関与があることだ。過去には、公安関係者が個人情報を売買していた事例も報道された。情報売買の実態調査を行った記者によると、一部では「公安との取り分は3:7(公安が7割)」と公言する業者もいたという。
情報を握る側が同時に利権を手にし、市民だけが監視対象となるこの構図に、海外の人権団体が強い懸念を示している。
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