「夜空が一瞬で昼のように明るくなった」「爆発音で目が覚めた」
5月下旬、中国の複数地域で正体不明の発光現象が相次ぎ、ネット上ではその映像が急速に拡散された。
UFOなのか、火流星なのか、今も原因は不明のままだ。
5月30日夜8時から9時頃にかけて、山東省、江蘇省、安徽省など広い地域の夜空に、明るく光る物体が出現。「大きな光の玉の後ろに小さなものが続いていた」「20〜30秒ほど光が走った」といった証言が相次ぎ、各地の住民が撮影した映像がネット上に次々と投稿された。
(2025年5月30日夜山東省などで目撃された明るく光る物体)
31日未明には北京市でも「夜空が突然明るくなった」「爆発音のような轟音で目が覚めた」との声が多数寄せられている。
さらにそれに先立つ5月28日午後9時30分ごろ、広東省茂名市や海南省海口市などでも、夜空が強烈な閃光に照らされ、まるで白昼のような明るさになったとの報告があった。巨大な轟音も伴い、現地では一時騒然となった。

(2025年5月28日夜、強烈な閃光に照らされた広東省茂名市の空)
この一連の現象について、目撃が相次いだ山東省濰坊市の緊急管理局は「注視しているが、現時点で事故などの報告は入っていない」とコメント。一部では「人工衛星の燃え残りか」との見方も出ているが、公式な発表はなされていない。
一部の天文学者からは「火流星(かりゅうせい)の可能性が高い」とする指摘も上がっており、ネット上では「UFOだ」「ミサイルでは?」「隕石が落ちたのでは」と憶測が飛び交い、「なぜ国家機関よりもネット民の方が早く気付くのか」と、政府の情報開示への不信感も広がっている。
(2025年5月30日夜山東省などで目撃された明るく光る物体)
火流星とは、流星や隕石に関連する天文現象の一種で、中国ではすでに三千年以上前から流星や隕石に関する記録が残されている。古来より、こうした天体現象は“天の警告”とされ、とくに重大な事件や社会の動乱の前触れ、不吉な兆しと見なされてきた。
たとえば1976年、吉林省に世界最大級の隕石が落下したその年、中国共産党の最高指導者だった毛沢東、周恩来、朱徳らが相次いで死去し、さらに数十万人が犠牲となった唐山大地震も発生している。
今年もまた、空からの“凶兆”が人々の胸に不安を灯している。果たしてこの閃光は、単なる自然現象か、それとも時代の変わり目を告げる“天の記し”なのか──。

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