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中国研究者が農業テロ菌を密輸か ミシガン大学所属の2人を米当局が起訴

2025/06/04
更新: 2025/06/04

米司法省は6月3日、ミシガン大学に所属する中国人研究者ジアン・ユンチン(Yunqing Jian)とその交際相手のリュー・ズンヨン(Zunyong Liu)を、ビザ詐欺や虚偽陳述、病原体の密輸などの罪で起訴したと発表した。事件は、トランプ政権が中国共産党(中共)と関係のある留学生のビザ取り消し方針を発表した直後に明らかとなった。

起訴状によれば、2人は「フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)」という農作物に甚大な被害をもたらす病原性真菌をアメリカへ違法に持ち込もうとした疑いがある。

検察当局は「ジアン被告は中共の党員であり、党への忠誠を示す証拠が電子機器から確認された」と指摘。ジアンは中共政府の資金提供を受けて、2022年からこの病原体の研究を継続していたという。研究対象であるフザリウム菌は、小麦や大麦、トウモロコシ、コメなどに赤かび病を引き起こし、年間数十億ドルの被害をもたらすことで知られている。さらに、菌が産生する毒素は、家畜や人への健康被害(嘔吐、肝機能障害、生殖異常など)も報告されている。

ジアンは2022年にJ1(交換留学)ビザで渡米し、当初はテキサス州の大学で研究、2023年からミシガン大学に勤務していた。ビザ申請時には異なる研究内容を記載していたが、実際には中国の研究機関のために同菌の研究を続けていたとみられている。

交際相手のリュー被告は2024年、観光ビザでアメリカに入国。デトロイト空港で病原体を所持していたことが発覚した。税関職員の聴取に対して当初は所持を否定したが、後に密輸を認め、「ジアン被告が勤務する研究室で使用する予定だった」と供述したという。

リュー被告は2024年4月に中国へ帰国するまで、ジアン被告と共にミシガン大学の研究室で活動していたとされる。

下院の対中共特別委員会ジョン・ムーレナー委員長は、「この事件は、アメリカの大学が研究の安全保障や中国人研究者の参加に対して、より警戒を強める必要があることを改めて示している」と述べた。

なお、アメリカで中国人研究者による犯罪が報じられるのは1週間以内で2件目。5月30日には別の中国人元留学生が不正投票で告発され、国外逃亡したことが明らかとなっている。

米国税関・国境取締局(CBP)は「複数の部局による綿密な捜査の成果」とし、調査は継続中であると発表。大紀元はジアン被告側へコメントを求めたが、記事掲載時点で回答は得られていない。

ニューヨークを拠点とするエポックタイムズ記者。