中国本土では、無差別殺傷事件が相次いでいた。武漢大学では、卒業論文の審査をめぐり追い詰められたとされる男子学生が、食堂で複数人を切りつけ、自ら命を絶とうとする事件が発生した。中国当局は情報を封鎖しており、被害の詳細は不明のままである。
6月4日午後、中国・武漢大学の食堂で、同校の男子学生が刃物を手に突如乱入し、無差別に学生らを襲撃する事件が発生した。少なくとも3人の学生が首などを負傷し、加害者本人も自らの首を切って自殺を図り、生死は不明だ。
犯行の直前、容疑者の学生はSNS上に「もう何もかも終わりにする、食堂へ行って幸運な観客を何人か切りつけて(死の)道連れにするしかない」「どうしたって解決できない、となると殺すしかない。包丁が一番よく効く」といった犯行を予告する意味深な書き込みを残しており、心の限界に達していた様子が伺えた。
エポックタイムズの取材に応じた関係者(同校学生)によれば、容疑者の学生は、4月に論文を提出し、担当教員とともに何度も修正を重ねたにもかかわらず、審査委員から再三却下され続けた。事件当日の朝には「構成に重大な欠陥がある」と通告され、答弁まで残りわずか2日という状況で精神的に崩壊したという。
(現場の様子)
目撃者によると、学生は突然食堂に乱入し、無差別に学生の首元を狙って切りつけた。襲撃されたのは少なくとも2人の男性と1人の女性。学生らは椅子を使って応戦をし、加害者はその場で自らの首を切って倒れた。搬送時にはまだ意識があったとの証言もあるが、現地当局からは事件に関する公式な発表は一切なく、加害者の容体は不明だ。SNS上の関連動画や画像は即座に削除され、情報統制が敷かれた。
ネット上では「これは個人の問題ではなく、社会と制度が若者を壊した結果だ」との声が相次いだ。
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