【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

日本学術会議法改正案が参院内閣委で可決

2025/06/10
更新: 2025/06/10

日本学術会議を国から独立した法人とする法案が、6月10日、参議院内閣委員会で自民、公明の両与党と日本維新の会の賛成多数により可決された。法案は11日の参議院本会議で可決・成立する見通しであり、成立すれば2026年10月から日本学術会議は「特殊法人」として新たな体制で運営されることになる。

この法案は、日本学術会議を現在の「国の特別機関」から切り離し、独立性を高めることを目的としている。これまで会員の任命は、学術会議が推薦した候補者を内閣総理大臣が任命する仕組みだったが、法案成立後は学術会議自身が会員を選任できる制度に変更する。また、運営の透明性を確保するため、首相が任命する外部有識者による評価委員会や監事を新設することも盛り込んでいる。

財政面では、これまでと同様に政府が必要な財政支援を行うことを明記しており、年間約10億円の予算が見込まれている。

独立法人化する法案について、賛成派は「政治からの独立性の確保」と「組織の透明性向上」を主張している。一方、立憲民主党や国民民主党、共産党、れいわ新選組など野党4党からなる反対派は政府からの独立性や財源確保に懸念が残るとして法案の修正を求めたが、修正案は否決された。

反対派は首相が評価委員や監事を任命する仕組みや、会員の解任規定を新設する点に強く反発しており、両者の意見は大きく対立している。

今後、法案が本会議で成立すれば、日本学術会議は国から独立した法人として新たなスタートを切ることになるが、独立性や運営の透明性、安定した財政基盤の確保など、引き続き課題が残る形となっている。

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。