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世界最大の柏崎刈羽原発が再稼働へ AI需要とエネルギー安保で進む日本の「原子力回帰」

2025/12/23
更新: 2025/12/23

日本は、福島第一原発事故から約15年を経て、世界最大の発電能力を持つ柏崎刈羽原子力発電所の運転を再開する。これは、日本の原子力回帰における極めて重要な転換点となる。

新潟県に位置する同原発は、2011年3月の東日本大震災後に停止した54基の原子炉の一つである。日本政府は化石燃料への依存脱却を掲げ、現在までに稼働可能な33基のうち14基を再稼働させている。

柏崎刈羽は、かつて福島第一原発を運営していた東京電力(TEPCO)が手がける原発として、震災後初の再稼働となる。12月22日に新潟県議会が花角英世知事への信任案を可決したことで、法的・政治的な手続きは完了し、即時の運転再開が可能な状態となった。

経済的背景とAI需要

日本が原発再稼働を急ぐ背景には、深刻なエネルギーコストの問題がある。

高市早苗総理は、輸入化石燃料のコストを抑制するため、原発の再稼働を支持する姿勢を示している。現在、日本の全発電量の60〜70%を化石燃料が占めている。

昨年、日本は液化天然ガス(LNG)と石炭の輸入に10.7兆円(680億ドル)を費やしており、これは国の総輸入コストの10分の1に相当する。

人口減少の一途をたどっているものの、日本は人工知能(AI)のデータ処理センターによる電力需要のため、今後10年間でエネルギー需要が増加すると予測している。

政府は、2040年までに電源構成に占める原子力の割合を、現在の倍となる20%に引き上げる目標を掲げている。

柏崎刈羽原発の総出力は8.2GW(ギガワット)で、数百万世帯の電力を賄うのに十分な規模である。

日本最大の原発事業者である関西電力は7月、西日本での原子炉増設に向けた調査を開始すると発表した。これは福島第一原発事故以来、国内初の新設プラントとなる計画だ。

大紀元日本の速報記者。東京を拠点に活動。主に社会面を担当。その他、政治・経済等幅広く執筆。