【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

中共軍部の指示か 中国の学者が病原菌を米国へ 

2025/06/11
更新: 2025/06/11

6月9日、中国・武漢出身の研究者が生物材料の密輸容疑でアメリカで逮捕された。また、米司法省は最近、2人の中国人を危険な生物病原体の密輸容疑で起訴している。専門家は、これらの密輸行為が中国共産党(中共)軍部の指示によるものであり、アメリカの農業破壊やアメリカ人への被害を目的としている可能性が高いと指摘している。

米司法省ミシガン東地区連邦検察官は9日、武漢出身の中国人、韓成萱容疑者の逮捕を発表した。彼女はミシガン大学の研究室で勤務するため、生物材料をアメリカに持ち込む際に虚偽の申告を行ったとして起訴している。これは過去2週間で発覚した、中国人研究者、ミシガン大学、生物材料が絡む2件目の刑事事件となる。

その前には、33歳の中国人・簡雲清と34歳の交際相手・劉尊勇が、農業テロリズム兵器となり得る病原体「フザリウム菌」をアメリカに密輸したとされている。

この病原体は極めて強い破壊力を持ち、作物に穂枯れ病を引き起こす。その影響は世界中で毎年数十億ドルもの経済的損失をもたらすだけでなく、人間や家畜の健康にも深刻な影響を及ぼしている。報告されている症状には、嘔吐、肝機能障害、生殖異常などが含まれる。

劉尊勇は病原体の密輸を認めており、簡雲清が勤務するミシガン大学の研究室で研究を行った。簡雲清は中共の党員であり、中共から「フザリウム菌」に関する研究資金を受領していた。

米ウイルス学専門家・林暁旭氏は次のように述べている。
「フザリウム菌は植物体内で長期間生存し、翌冬には再び菌体を形成して無性生殖により拡散する。この種の研究には特別な許可が必要だが、2人が所属するミシガン大学はその許可を取得していなかった」

簡雲清はミシガン大学の研究員であり、劉尊勇は中国の浙江大学で研究を行っていた。

林暁旭氏は「浙江大学が軍民協力の協定を締結しており、そのため2人は軍の指示を受けているのではないかという疑念も浮上している。彼らに危険な菌類をアメリカに持ち込ませ、アメリカの食糧安全を脅かそうとしているのではないだろうか。感染した植物は人間にも重大な健康被害を及ぼすので、全体としてはテロ攻撃に近い状況と言える」と語った。

専門家は、今回の手法が中共によるフェンタニルの流入や新型コロナウイルスの拡散方法と類似していると分析している。

米セント・トーマス大学国際研究講座教授・葉耀元氏は次のように述べている。

「米中間の関税交渉の最中、あるいはトランプ大統領と習近平の会談前にこうした行為が現れたことで、両国間にかすかに残された相互信頼を一定程度損なうことになり、二国間関係の継続に困難を生じさせる可能性がある」