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FBI ロサンゼルスの暴動で資金源を追跡 中国との関係も視野に

2025/06/12
更新: 2025/06/12

ロサンゼルスで移民取り締まりに反対する激しい抗議活動が起きていることを受け、米連邦捜査局(FBI)がその背後にある資金源の解明に乗り出している。FBIのカシュ・パテル長官が明らかにした。

中国共産党(中共)の関与が抗議活動の背後にあるのではないかとの懸念に対し、パテル長官は大紀元に「FBIは、これらの抗議活動に関連するすべての資金的つながりを調査している」と語った。

こうした活動を支持している団体の一つが「社会主義と解放のための党(Party for Socialism and Liberation、PSL)」である。同党は、親中派のIT富豪ネヴィル・ロイ・シンガム氏が資金を提供しているネットワークとつながりを持つ共産主義系の政党だ。

PSLはX上で、抗議の様子を投稿し、不法移民の拘束を「移民コミュニティに対する戦争」だと主張。移民・関税執行局(ICE)を「近隣住民や友人、家族を誘拐している」と非難している。

同党と密接な関係にあるのが、シンガム氏の支援を受ける団体「ザ・ピープルズ・フォーラム」で、ニューヨーク市マンハッタン区に拠点を置き、中共を擁護する立場で活動を行っている。

同団体の共同執行ディレクターでニューヨーク市在住のマノロ・デ・ロス・サントス氏は、中共の新型コロナウイルス対策を称賛。同党は、中共の台頭を「中国だけでなく世界を変えた数十年にわたる壮大な戦い」と称賛するイベントを開催した。

両団体は、X上で互いの投稿を共有し合いながら、抗議行動への連帯を表明。各地でさらなるデモを呼びかけている。

ザ・ピープルズ・フォーラムは10日午後、X上で「ICEは私たちの地域から出ていけ」として、同日午後5時にマンハッタンのフォーリー・スクエアでの集会を呼びかけた。投稿には、PSLや反戦活動団体CODEPINKの名が記載されたポスターも添えられていた。CODEPINKは、シンガム氏の妻ジョディ・エヴァンス氏が共同設立した団体である。

エヴァンス氏は2020年にCODEPINKを通じて「中国は敵ではない」というキャンペーンを開始し、中共国営メディアなどと連携するコンテンツプラットフォーム「ザ・チャイナ・アカデミー」にも寄稿している。同氏のグループの一員は、2023年2月の米下院・対中共特別委員会の公聴会で「中国は敵ではない」と書かれた横断幕を掲げて妨害行為を行った。

シンガム氏は2023年7月、上海で開催された中共の国際的イメージ向上を目的としたプロパガンダフォーラムに出席。復旦大学マルクス主義学院の周展安氏の隣に座り、赤い表紙のノートにメモを取っている様子が大学の写真に記録されている。

ザ・ピープルズ・フォーラムは、資金源や思想的立場について「隠すことは何もない」、「我々の活動を誇りに思っている」と公言している。

2024年1月のインスタグラム投稿で、同団体は「我々はパレスチナを支持する。アメリカのロシアと中国に対する戦争挑発に反対する」と表明し「ピープルズ・フォーラムは、元ブラックパンサーで生涯の社会主義者のロイ・シンガム氏から寄付を受けている」と認めた。

同フォーラムはまた、PSLのメンバーであるシーラ・シャオ氏を招き、中国の社会主義への転換を称賛する書籍の宣伝や講演会を開催。フォーラムの共同設立者クラウディア・デ・ラ・クルス氏は、2024年の大統領選で同党の候補として出馬した。

共同創設者のクラウディア・デ・ラ・クルス氏は、2024年の米大統領選にPSLから立候補した。

これらの団体と中共との繋がりは、議会で注目を集めている。

2024年4月、上院司法委員会のチャック・グラスリー委員長はボンディ司法長官とパテルFBI長官に書簡を送り、ザ・ピープルズ・フォーラムおよびCODEPINKが外国代理人登録法に基づく登録対象かどうかを調査するよう求めた。

また、下院監視委員会の委員であるアナ・ポリナ・ルナ議員は6月10日「ロサンゼルスでの抗議活動に関与し、中共とつながりがあるとされる共産主義団体への資金提供」に関して、シンガム氏に正式な資料提出を求める方針を示した。

「出廷を拒否すれば召喚状を発行し、それも無視するようであれば司法省に送致する」と、ルナ氏はXに大文字で投稿した。

大紀元はシンガム氏、PSL、ザ・ピープルズ・フォーラム、CODEPINKにコメントを求めている。

CODEPINKは直接の回答は控えたが、ルナ氏の投稿に「彼女は我々の団体を中傷し、言論の自由を脅かしている」と非難。倫理違反の申し立てを行うと表明した。

その後ルナ氏はXで、CODEPINKの活動家が自身の議員事務所を訪れ「謝罪を要求した」と明かした。大紀元の取材に対し、ルナ氏は自身のX投稿を引用した。

Eva Fu
エポックタイムズのライター。ニューヨークを拠点に、米国政治、米中関係、信教の自由、人権問題について執筆を行う。