アメリカのドナルド・トランプ大統領は6月15日、激化するイスラエルとイランの軍事衝突を受け、両国に対し停戦交渉を行うよう強く呼びかけた。トランプ大統領は自身のSNSに「取引(ディール)をすべきだ」「合意の時が来た」と投稿し、和平実現に向けて多くの協議や電話会談が進行していることを明らかにした。
トランプ大統領は同日、カナダで開催される主要7カ国(G7)首脳会議への出発前にも記者団に対し、「イスラエルとイランが停戦で合意することを期待している。合意が成立する可能性は高い」と述べ、和平への期待感を示した。また、「戦い抜かなければならないこともある」としつつも、米国はイスラエルを支援し続ける姿勢を維持する一方、イランへの攻撃停止を直接求めたかどうかについては明言を避けた。
この呼びかけの背景には、6月13日にイスラエルがイランの核関連施設を攻撃し、イランが無人機による報復を実施するなど、両国間の緊張が急激に高まっている現状がある。トランプ大統領はイランに対し「合意を成立させなければ、さらに残忍な攻撃に直面する」と警告し、核開発問題を含む包括的な交渉に応じるよう強く求めている。
一方、アメリカ政府高官によれば、イスラエルがイランの最高指導者ハメネイ師の暗殺計画をトランプ大統領に説明したものの、トランプ大統領はこの作戦を拒否したと報じられている。これは、アメリカが軍事的な関与を強めることへの慎重な姿勢を示すものとみられる。
現時点で、イスラエルとイランの間で実際に停戦交渉が始まったとの公式発表はなく、戦闘も継続している。トランプ大統領は「まもなく平和が訪れる」と強調するが、情勢は依然として不透明であり、国際社会は両国の自制と対話を強く求めている。
トランプ大統領がSNSに6月15日に投稿した内容は次の通り。
『イランとイスラエルは取引すべきであり、必ず合意するだろう。これは、かつて私がインドとパキスタンの間で合意を実現させた時と同じだ。その際には、アメリカとの貿易を活用し、理性と結束、そして健全な判断を協議の場にもたらした。両国の優れた指導者たちは迅速に決断し、対立を止めることができた。また、私の最初の任期中、セルビアとコソボは何十年にもわたり激しく対立しており、その長年の紛争が戦争に発展しそうだったが、私はそれを止めた(バイデンは非常に愚かな決断で長期的な見通しを損ねたが、私は再びそれを修正する!)。もう一つの例はエジプトとエチオピアであり、壮大なナイル川に影響を与える巨大ダムを巡って争っていた。私の介入によって、少なくとも今は平和が保たれており、これからもそうなるだろう。同様に、イスラエルとイランの間にも間もなく平和が訪れる!現在、多くの電話や会談が行われている。私は多くのことを成し遂げているが、何一つ評価されない。しかし、それで構わない。人々は理解している。中東を再び偉大にしよう!』
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