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アリゾナ州知事 中国を含む敵対国による土地購入を包括的に制限へ

2025/06/16
更新: 2025/06/16

 

6月9日、米アリゾナ州のケイティ・ホッブズ知事は、敵対国によるアメリカ土地所有を禁止する包括的法案「敵対国阻止法」を発表した。これは、共和党が支持した中国共産党(中共)関連団体による土地購入を制限する上院法案1109を6月2日に拒否権行使した後の措置である。

ホッブズ氏は前案に対する拒否権の理由として、同法案が対象範囲が狭く、実施基準が不明確であると批判した。

新法案では、中国だけでなくロシア、北朝鮮、イランなどアメリカが指定する敵対国全般を対象とし、州がFBIにスパイ行為が疑われる土地購入の調査を依頼する権限を付与するという。

また、元の法案にあった「中国関連団体が3年間土地を所有した後に売却可能」という「抜け穴」を閉じた。

ホッブズ氏は声明で「弱く無責任な法案を誇りを持って拒否した。この法案はアリゾナの安全を損ない、中共が抜け穴を利用して、軍事基地や重要インフラをスパイすることを許していた」と述べた。

一方反共が主の、州の共和党からは強い反発が起き、6月8日、前知事選のライバル、カリ・レイク氏は、Foxニュースで「軍事基地だけでなく、フェニックスの台湾系半導体工場や最大の原子力発電所など、戦略的資産が中共の浸透による壊滅的影響を受ける」と指摘した。

アリゾナ州のウォーレン・ピーターセン州上院議長は、Xで前案の拒否権に対する無効化投票を呼びかける意向を示した。

ホッブズ氏は今期、別の中国関連法案も拒否した。下院法案2693は、州の医療プログラムで、中共軍や人権侵害に関与する中国のゲノム企業製技術の使用を制限する内容だった。この法案は、保険会社や州のメディケイドが敵対国の機器・ソフトを使用した遺伝子検査の補償を制限し、医療・研究機関にこれらの使用停止を求めるものだった。

支持者らは、アリゾナ住民の遺伝子データが中共支配下の団体に渡るのを防ぐと主張したが、ホッブズ氏は拒否理由をそれらは「不要である」と述べただけだった。

一方、ホッブズ氏は州下院法案2109(アリゾナ臓器収奪防止法)を承認した。この法律は、中国、香港、または中共支配下の地域で臓器移植を受ける患者に対し、保険会社や州メディケイドが補償を拒否・制限することを認めるものだ。2024年に同法案の初期版(ハウス法案2693の一部を含む)も拒否していた経緯があった。

また、ホッブズ氏は、州の上院法案1027にも拒否権を行使した。この法案は、中国製の通信技術の使用を禁止し、中共が軍事通信を捕捉・妨害するスパイ行為や妨害行為を防ぐことを目指していた。ホッブズ氏は「重要インフラの保護は必要だが、この法案の広範な表現は企業に過度な負担を課し、納税者にコストを生む」と拒否理由を述べた。

なお、遺伝子検査や通信技術に関する法案について、ホッブズ知事が独自の代替案を提出するかどうかは、現時点では明らかになっていない。大紀元は知事室にコメントを求めているところだ。

 

Bill Pan
エポックタイムズ記者。教育問題とニューヨークのニュースを担当。