トランプ米大統領が導入した「トランプゴールドカード」のオンライン事前申請が開始されてから1週間足らずで、約7万人が申請待ちの列に並ぶ。この新たなビザ計画は、ラトニック商務長官が主導し、外国人が500万ドルを支払うことでアメリカ永住権を取得できるものだ。
米商務省は6月11日、公式サイト(trumpcard.gov)を開設し、申請希望者が氏名、電子メール、居住地域などの基本情報を登録できるようにした。現在、公式サイトでは事前申請情報の入力のみが可能で、それ以上の詳細情報は提供されていない。
公式サイトには「トランプカードがやってくる(The Trump Card is Coming)」という大きな見出しが掲げられ、「Trump Card」には切り札という意味合いもある。公開されたカードのサンプルには、トランプ氏の肖像と署名、白頭鷲、自由の女神、アメリカ国旗の図柄、そして「500万ドル」の文字が刻まれている。
説明によると、非アメリカ市民が500万ドルを支払い、ゴールドカードビザの申請に成功すれば、アメリカ永住権を取得でき、将来的には市民権を得る可能性もある。
ラトニック氏は6月16日、申請者数が急増しており、同日午前中の1時間で申請待ち人数が6万7697人から6万8703人に増加したと述べた。
同氏はフィナンシャル・タイムズ紙に対し「このカードは金で作られ、非常に精巧なものになる」と語った。
さらに、トランプ氏はデザインや質感に強いこだわりを持ち、投資家がアメリカにこれほどの投資を行うのだから、それに見合った高級感のあるカードを提供すべきだと考えていると説明した。
ラトニック氏によると、このビザのアイデアは、トランプ氏の長年の熱心な支持者である億万長者ジョン・ポールソン氏から提案されたもので、36兆ドルに上るアメリカ国債の返済を支援する資金を集めるのが目的だ。
ラトニック氏は、20万枚のゴールドカードを発行できれば、米財務省に1兆ドルの収入をもたらせると述べた。
今年5月、ラトニック氏はトランプ氏とともにサウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦を訪問し、現地の高官との会談で「ゴールドカード」計画を売り込んだ。
「ゴールドカード」は、現在のEB-5投資ビザプログラムの代替案とされている。EB-5投資移民ビザは、最低180万ドルの投資でアメリカ永住権(グリーンカード)を取得できるもので、昨年は約1.4万人がこのビザを取得した。
現在、ワシントンでは「トランプゴールドカード」保有者の税務規定や、どの国の市民が申請できるかの詳細は決められていない。ホワイトハウスはすでに数十か国の旅行者に対し入国を禁止しており、制限対象国の拡大も検討中と報じられている。
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