中東の情勢が緊迫する中、アメリカがイランに対して軍事攻撃を行うリスクが高まっていることを受けて、イギリスのスターマー首相は18日に内閣の「戦時準備」メカニズムを発動し、緊急会議を招集した。スターマー氏は軍と情報機関に対し、高度な警戒態勢に入るよう指示した。
フィナンシャル・タイムズによると、スターマー首相はその日、ホワイトホールで緊急対応委員会(COBR)の会議を主宰し、国防や外交の高官、軍の指揮官、情報機関の長、アメリカの駐英大使が出席した。会議では、アメリカがディエゴ・ガルシア空軍基地からイランの核施設に対して空爆を行う可能性について評価が行われた。
イギリスはまだイランとの衝突に直接介入していないが、各国に対して緊張を緩和し、外交的手段での解決を呼びかけている。しかし、アメリカはイギリスが主権を持ちながらも米英共同管理のディエゴ・ガルシア基地を使用する場合、イギリスは間接的に戦争に参加していると見なされ、地域の緊張はさらに高まるとみている。
情報によれば、アメリカはイランのフォルドウ核施設を攻撃目標にする可能性がある。この施設は高度に強化された地下施設であり、一般的な武器では破壊が難しいため、地中爆弾を搭載できるアメリカ軍のB-2ステルス爆撃機のみが攻撃能力を持っている。アメリカ軍は3月に少なくとも6機のB-2爆撃機をディエゴ・ガルシア基地に配備している。
イギリス外交部(FCDO)は、テルアビブとエルサレムにあるイスラエルの大使館および領事館の職員の家族が予防的に撤退したことを確認したが、一般のイギリス市民に対してはまだ撤退命令を出していない。政府は現在、イギリス市民に対し、大使館に登録するよう促し、緊急支援を受けやすくしている。
スターマー首相はイスラエルの自衛権を支持することを明言し、イランが核を持つべきではないと再確認したが、アメリカがイランに対して軍事行動を取るべきかについては慎重な姿勢を示している。ダウニング街(イギリス首相官邸を指す)は「仮定の軍事行動」についてはコメントしないと強調している。
現時点で、イギリスはイスラエルに対して直接的な軍事支援を行っていない。対照的に、昨年、イギリス空軍はイランがイスラエルに向けて発射した無人機やミサイルの迎撃を支援し、アメリカと共にイエメン国内のイラン支持のフーシ派に対して攻撃を行った。
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