6月19日、ホワイトハウスのレビット報道官は、トランプ米大統領が今後2週間以内にイランへの軍事行動の是非を決定する見通しだと明らかにした。
「大統領からの直接のメッセージを伝える。『近い将来、イランとの交渉が行われる可能性があることを踏まえ、軍事行動を起こすかどうかの判断を今後2週間以内に下す』とのこと」と、レビット氏は記者会見で述べた。
トランプ大統領は、イランへの対応をめぐってホワイトハウスのシチュエーションルームで会議を重ねており、軍事介入については「関与するかしないか、まだ決定していない」との立場を示している。
レビット氏によると、トランプ氏の対イラン政策の目標は政権交代ではなく、同国が核兵器を保有することを阻止することにある。トランプ氏はこれまで一貫して「イランが核兵器を持つことは決して許されない」と主張してきた。
レビット氏は「はっきりさせておく。イランは核兵器を製造するために必要なものをすべて揃えている。あとは最高指導者の決定だけで、2週間ほどで製造を完了できる。これはイスラエルだけでなく、アメリカや全世界にとって重大な脅威となる」と語った。
また、「イランが核兵器を保有すべきではないという点については、ロシアを含む世界の主要国が一致した見解を持っている」とし、「この考えは、トランプ大統領が政治家としてだけでなく、人生を通じて持ち続けてきた信念だである」と述べた。
トランプ氏はイスラエルのイランへの軍事行動を支持する一方、外交的解決を模索する。スティーブ・ウィトコフ中東担当特使を通じてイラン側に提示した和平案は「現実的かつ受け入れ可能な内容であった」としている。だが、イランはこの提案を拒否した。
現在、イスラエルはイランの核関連施設や弾道ミサイル施設などへの空爆を実施している。イランは報復として、エルサレムやテルアビブなどのイスラエルの人口密集地を攻撃した。6月19日には、イランがイスラエル南部のベエルシェバの病院を攻撃し、数十人が負傷した。
トランプ氏はイランの「無条件降伏」を求めたが、イラン政権は拒否した。ただし、現時点では最高指導者アリ・ハメネイ師の殺害を検討していないとしている。
なお、イスラエルはイラン中部にある地下深くのフォルドウ核施設の破壊を計画しているが、これには地中貫通型爆弾(いわゆるバンカーバスター)と、それを搭載可能な航空機が必要である。これらの兵器を保有しているのはアメリカのみである。
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