異常な高温に見舞われる中国で、ソーラー街灯が自然発火するという事態が各地で発生した。太陽光を利用したはずの「クリーン」な設備が、逆に火災の原因となるという本末転倒な現象に、国民の不安が広がっている。
SNS上には、ソーラー街灯が炎上する映像が次々と投稿され、ある動画では、道路の両側に並ぶ数十の街灯が一斉に発火し、パネルから吹き出した炎が地面に落下して雑草に燃え移った。
また、民家のすぐそばに設置された街灯のパネルが突然燃え上がり、驚いた住民が逃げ惑う様子も確認され、さらに、激しい爆発音とともに炎を噴き出す街灯の映像もあり、そのうちの1基は建物のすぐ隣で燃えていた。状況次第では、大惨事に発展していた可能性もあった。
(燃える中国の「ソーラー街灯」)
「ソーラー街灯」の炎上の原因は、ソーラーパネルそのものではなく内部に設置された粗悪なリチウム電池だとみられており、中国製の安全基準の甘さが改めて問われている。
これは、中国製電動車(EV)が炎天下で自然発火する問題とも深く通じており、「またか」という声が中国国内でも多く上がった。
中には、こうしたリスクを踏まえて、ボタン一つで開閉できる「車用日よけ傘」を購入・装着するなど、自衛手段をとる市民も現れている。燃えやすさを知るからこそ生まれた「知恵」だが、本来は国家やメーカーが安全対策を徹底すべきところである。
日本でも中国製のソーラー街灯や太陽光パネルが安価なことから広く流通しており、「燃えないか」は決して他人事ではないのだ。

(燃え予防の、「車用日よけ傘」)
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