中国雲南省とチベット自治区の境にそびえる梅里雪山(ばいりせつざん)。この神秘的な山域で、7月中旬から登山中だった男性2人が行方不明となり、消息を絶ってすでに22日以上が経過した。家族は懸賞金を掲げて必死に捜索を続けているが、いまだ手掛かりはない。
遭難したのは、アウトドア愛好家の李金偉(り・きんい、32歳)さんと、昆明市在住で豊富な野外経験を持つ劉玉涌(りゅう・ぎょくよう、30歳)さんの2人で、ともに7月16日に梅里雪山の大環線ルート(トレッキング・ルート)を出発した。7月23日午前に劉さんが母親と通話したのを最後に連絡が途絶えている。

梅里雪山は全長150キロに及び、主峰カワクボ(標高6740メートル)を擁する険しい連山で、「登頂禁止の神の山」「不眠山」「人類最後の禁地」とも呼ばれる。急峻な地形と変わりやすい気象により登頂成功者はおらず、チベット仏教の聖地として地元では登山を忌避してきた。2000年には登頂を永久禁止とする条例が施行され、「世界第2の山岳遭難地」としても知られるこの山では、今も多くの怪異譚や不可解な遭難事件が語り継がれている。

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