ロシア当局は8月24日、ウクライナがロシア国内の主要な原子力発電所と燃料輸出港に対して無人機による攻撃を行ったと発表した。この攻撃により、原子力発電所の一基の原子炉の出力が大幅に低下し、燃料輸出港では大規模な火災が発生したとされる。
ロシアは同日、西部のクルスク州にある原子力発電所がウクライナによる無人機攻撃を受けたと非難した。この原発はウクライナ国境から約60キロの地点に位置している。
発電所の発表によれば、ロシアの防空システムは日付が変わった直後にウクライナの無人機を撃墜したが、その無人機は原発近くで爆発。火災が発生し、補助変圧器が損傷したため、3号機の出力が50%まで減少した。
同発電所によると、放射線レベルは正常であり、無人機による火災で死傷者は出ていないという。残る2基の原子炉のうち1基は計画的なメンテナンスのために停止中で、もう1基も現在は発電していない。
国際原子力機関(IAEA)は、軍事行動によってこの原発の変圧器が火災を起こしたとの報道を把握しており、「すべての原子力施設は、いかなる状況下においても保護されるべきである」と強調した。
ウクライナ側は、ロシアが発表したこの攻撃について、現時点ではコメントしていない。
また、同じ日にロシア北西部のレニングラード州にあるウスチ・ルガ港でも火災が発生した。この港はフィンランド湾の北、約1千キロの地点に位置し、ロシアの主要な燃料輸出拠点のひとつである。
同州の知事によれば、港周辺の上空で約10機のウクライナの無人機が撃墜され、その破片が火災を引き起こした。
ロシアがメッセージアプリ「テレグラム」で公開した未確認の動画には、無人機が燃料施設を直撃し、大きな火柱が上がったあと、黒煙が空高く立ち上る様子が映っている。
ロシア国防省は、日曜日の未明にロシア国内の十数地域で合計95機以上のウクライナの無人機を迎撃したと発表した。
一方、ウクライナ空軍は、土曜深夜から日曜未明にかけて、ロシアが無人機を含む72機をウクライナに向けて発射し、さらに巡航ミサイル1発を発射したと発表。そのうち48機の無人機は撃墜または無力化したとしている。
これらの出来事は、ウクライナがソ連からの独立34周年を記念する「独立記念日」を祝っていた最中に発生した。ウクライナのゼレンスキー大統領は、首都キーウ中心部の独立広場からビデオ演説を行い、国の平和と安全を守る決意を強調した。
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