中国税関が8日に発表したデータによれば、2025年8月の中国におけるレアアース輸出量は前月比3.4%減少している。
データによると、世界最大のレアアース生産国である中国は、8月に5792トンのレアアースを輸出した。レアアースは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、およびランタン系元素を含む17種類の化学元素の総称であり、自動車、民生用電子機器、防衛分野など幅広い用途がある。
これに対し、7月の輸出量は5994トンであり、2024年8月の輸出量は4723トンであった。中国のレアアース磁石の輸出量は、7月に6か月ぶりの高水準に回復していた。
2025年1月から8月までの累計では、中国のレアアース輸出量は4万4355トンに達し、前年同期比で14.5%増加している。
8月の中国の貿易統計 輸出成長は鈍化 米中摩擦の影響が鮮明に
全体として、中国の8月の輸出は引き続き成長を見せたものの、その伸び率は大幅に鈍化しており、米中間の貿易摩擦および関税の影響が一層顕在化していることを示している。
中国税関のデータによれば、8月の輸出総額は3218億ドルで、前年同月比4.4%増加した。しかし、7月の7.2%増と比べると明らかに伸びが鈍っている。輸入総額は2195億ドルで、1.8%の増加となった。2025年の1~8月までの累計貿易黒字は7853億ドルに達し、アメリカおよび欧州連合(EU)の懸念を引き起こしている。
アメリカからの関税圧力の影響を受け、中国の対米輸出は8月に33%も急減し、わずか473億ドルとなった。アメリカからの輸入も16%減少し、134億ドルにとどまった。
これに対し、対EU輸出は10.4%増の468億ドルとなり、EUからの輸入はわずかに減少して228億ドルであった。
8月の中国の輸出増加率は今年に入って最も低く、中国の旧正月の影響を受けた1月~2月の2.3%に次ぐ低水準である。
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