9月8日夜、中国・四川省成都市の公園で、25歳の若い女性が首を吊り、自ら命を絶った。
残された手書きの遺書には、「怖がらないでください、私は自殺です。これ以上もう走れません。本当は人の少ない、木があり景色のよい場所にしたかったのだけれど、もう動けません」と綴られていた。若い命が残したこの最後の叫びは、多くの人の胸を深く締めつけている。
若者が命を絶つ背景を単に「個人の問題」に帰するのは容易である。しかし、この遺書が示すのは、声にならない疲労と孤立である。
かつては、自殺を強く戒め、因果や生死の重みを伝える宗教的信念や道徳、家族や地域のつながりが、命を思いとどまらせる抑止力となっていた。しかし、これらが弱まりつつあることが、経済的重圧や孤立と重なり合い、自殺を選びやすくする社会的要因の一つになっていると考えられる。
中国における若年層の自殺件数は、年齢層や地域、時期によって異なるが、近年、特に15歳から24歳の若者の自殺率が上昇傾向にあることが報告されている。近年、15〜24歳の自殺率は2017年以降急増し、都市部より農村部で高く、農村では都市の約2倍に達するとされる。


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