中国の人気ネット配信者・戸晨風(と・しんぷう)さんが、主要SNSから一斉に姿を消した。微博や抖音(中国版TikTok)、Bilibiliの更新は止まり、ライブ配信も封鎖。数百万人のフォロワーを抱える人物が一夜にして「消された」のである。「戸晨風封殺」の話題はネット上で議論を呼び、SNSのトレンド入りした。
戸さんは、検閲すれすれの発言で中国の現実を突くことで知られていた。最近は国産アンドロイドは消滅すると言い切り、iPhone17がハイエンド市場を席巻すると予測。さらに国産EV技術を疑問視し、ガソリン車はトヨタ、電気車はテスラを選ぶべきと主張した。
過去には視聴者から「習近平は独裁者か」と問われた際に封鎖されたこともあり、今回の全面封鎖も、こうした発言の積み重ねが当局に危険視された結果とみられる。

中国のネット社会では、指導者批判や歴史問題だけでなく、国産技術を否定する発言や庶民の不満を刺激する発言まで、当局が「不都合」と判断した時点でアウトになる。どこまで許されるのかは明文化されておらず、まさに「見えない地雷原」の上で言葉を選ばざるを得ないのだ。

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