立憲民主党の泉健太前代表は10日、中国の薛剣（せつけん）駐大阪総領事のX（旧ツイッター）での投稿について、「こんな総領事は日本に必要ない」と糾弾した。

泉氏は、薛剣の発言について「とんでもない暴言」と指摘。その上で、「こんな総領事は日本に必要ない。政府は早期にペルソナ・ノン・グラータで中国に帰任させよ」と強い口調で非難した。

薛剣は8日、Xで高市早苗首相の台湾有事に関する答弁を引用し、「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」と投稿した。現在は投稿を削除している。

国民民主党の玉木雄一郎代表も11日の記者会見で、「彼とは長い付き合いではあるが、ひどい」と断じた。「脅しをかけるようなことはあってはならない。場合によってはペルソナ・ノン・グラータにあたる」との見方を示した。

また、「職業外交官として、公館の長（在外公館長）としては極めて不適切だ」「今回の発言は度を越している」とも語った。

薛剣の発言については、与野党から非難の声が上がっている。

日本維新の会の石平参院議員は10日、Xで「日本政府が『抗議』しただけで済む問題ではない」と述べ、「文明国家の日本は、そんな国（中国）と『戦略的互恵関係を構築する』ことは、最初から無理な話であろう」と話した。

また、「最低限、この外交官を日本から追い出さなければならない。まもなく開催される参院外交防衛委員会で、私はそれを徹底的に追及するつもりだ」と語った。

公明党の伊佐進一前衆院議員も10日、Xで「公明党で日中関係に携わってきた者としても、強く抗議申し上げます」と語り、「これは単なる誹謗中傷です。様々な感情があれど、相手国への敬意がないと話ができません」と指摘した。

「薛剣さんとは長い付き合いですが、公明党関係者として言わせて頂きます」と締めくくった。

政府の対応としては、木原稔官房長官が10日の記者会見で、薛剣の投稿について、中国側に強く抗議したと明らかにし、「中国の在外公館の長の言論として極めて不適切と言わざるを得ない」と非難した。

各新聞や著名人も「暴言の中国外交官追放を」「ペルソナ・ノン・グラータとして追放せよ」と主張しており、日本世論と議会双方で厳しい姿勢が強まっている。

「ペルソナ・ノン・グラータ」とは、好ましからざる人物として退去を通告できる制度で、国際法で定められている。

一方、中国共産党外務省の報道官は「（薛剣の）投稿は台湾を中国から分裂させようと企てる誤った危険な発言を対象にしている」と擁護とも取れる発言をしている。