外務省 中共の対日輸出禁止に抗議 撤回を要求

2026/01/07
更新: 2026/01/07

外務省は7日、中国共産党(中共)が日本向けに軍民両用品目の輸出を禁止すると発表したことを受け、強く抗議するとともに、措置の撤回を求めたと明らかにした。金井正彰アジア大洋州局長は、在日中共大使館の施泳次席公使に対し「日本のみをターゲットにした今般の措置は、国際的な慣行と大きく異なり許容できず、極めて遺憾だ」と抗議した。

中共は6日、日本向けに潜在的な軍事用途を持つ「軍民両用物資」の輸出を禁止すると発表し、同措置は即日発効した。これにより、特定のレアアース(希土類)の対日輸出も禁止されることになる。

中共商務部は同日、「軍民両用物資の対日輸出管理を強化する公告」を公表し、日本の軍事用途向けや、日本の軍事力強化につながるすべての最終用途向けの輸出を禁止するとした。対象となる具体的品目は明示されていないが、商務部が2025年12月31日に公表した2026年版「軍民両用物資・技術の輸出入許可管理目録」には、レアアース、化学製品、先端電子部品、各種センサー、航空宇宙部品、無人機、核関連技術などが含まれている。

日中対立が激化

今回の措置は、高市早苗首相の台湾有事をめぐる国会答弁への報復とみられ、緊張が続く日中関係に新たな影を落としている。この発言は、台湾有事の際に日本が集団的自衛権を行使する可能性を示唆するものと受け止められている。

中共はその後、中国人観光客に対する訪日自粛の呼びかけ、日本産水産物の輸入再開作業の停止、日本映画の新規公開に関する審査の停止など、一連の経済的措置を講じた。北京は高市氏に発言の撤回を求めたが、高市首相はこれを拒否している。中山泰秀元防衛副大臣は、「安全保障の現実を語ることは挑発ではなく、主権国家として当然の権利だ」と述べた。

中共商務部の報道官は6日、今回の対日輸出規制について「日本の指導者による台湾問題に関する誤った発言が原因だ」とし、台湾海峡への武力介入を示唆したものだと主張した。

レアアースは、電子機器やレーザー誘導兵器、F35戦闘機などの製造に不可欠な素材である。今回の規制が象徴的な措置にとどまるのか、日本にどの程度の影響を及ぼすかは現時点では不明だ。

時事評論家の李林一氏は「今回の輸出禁止は全面的な経済遮断ではなく、戦略的シグナルの意味合いが強い」と指摘しつつ、中共の経済的圧力は最終的に自国経済への打撃として跳ね返ることが多いと分析した。

中共による対日レアアース輸出規制は、2010年9月の尖閣諸島周辺での衝突事件にさかのぼる。日本は中国産レアアースの輸入依存度を2010年の90%超から、2024年には約60~70%にまで引き下げた。日仏は約2億ユーロを投じた精錬事業を今年開始予定で、日米も南鳥島周辺での共同開発で合意している。また、日本は使用量を削減できる「粒界拡散」技術の開発も進めている。

ブルームバーグによると、シンガポール南洋理工大学のディラン・ロー准教授は、「今回の規制は表現が曖昧で、理論上は民生品であっても輸入を阻止できる内容だ」と指摘した。

ブルームバーグ・エコノミクスのベッカ・ワッサー氏は、日本の原材料備蓄により影響が出るまで時間がかかるとしつつ「すべての産業の需要を賄えるわけではない」と述べている。

李林一氏は、中共による対日輸出規制は日本に短期的な影響を与える可能性があるものの、自主技術の開発や国際協力を促し、サプライチェーンの「脱中国化」を進める契機になると述べている。また、この動きは他国に対しても、経済的圧力を避けるために中国依存を減らす必要性を示す警鐘になると指摘した。さらに、日系企業や外資の撤退が続く中国経済への打撃は無視できず、結果的に中国自身がその影響を受けることになるとの見方を示している。

今回の禁輸措置は、中共による対日圧力の大幅なエスカレーションを意味するだけでなく、他国に対しても中国の経済的威圧を強く印象付けるものとなった。

ロイター通信によると、事情に詳しい関係者3人は、主要7か国(G7)の財務相が1月12日にワシントンで会合を開き、レアアース供給問題を協議する予定だと明らかにした。

張婷