米NY市議長に初のユダヤ人 ホロコーストを越え市政中枢へ

2026/01/08
更新: 2026/01/08

米ニューヨーク市議会は1月7日、ユダヤ系ニューヨーカーでホロコースト生存者の子孫であるジュリー・マニング氏を新議長に選出した。

マニング氏の母と祖母は1950年代、ヨーロッパ各地を転々とした末にニューヨークへ渡った。第二次大戦中、家族はハンガリーでナチスの迫害から逃れるため地下に潜伏し、祖父を含む多くの親族がホロコーストの犠牲となった。

戦後はソ連占領下で国境が封鎖され、祖母は深夜にチェコスロバキアへ脱出。その後オーストリアを経て、約6年後にニューヨークへ到達した。

マニング氏は「家族が頼りにしたのはアメリカンドリームへの希望と、決して諦めない決意だった」と語り、マンハッタン東側の地域社会に受け入れられた経験が政治活動の原点だとする。

マンハッタン東側で育ち、法学を学んだマニング氏は弁護士として働いた後、ロウアー・マンハッタンで飲食店を経営した。

2001年のアメリカ同時多発テロで店舗が被害を受けたことを機に、復興支援の非営利団体を設立し、公的分野に関わるようになった。

その後、芸術プロジェクトや学校建設、世界貿易センターの文化施設整備などに携わり、第1コミュニティ委員会の委員長に就任。今回の議長就任を「最大の職業的栄誉」と位置づけた。

就任にあたりマニング氏は、初のムスリム市長と初のユダヤ系市議会議長が同時に市政を担う現状に触れ、「宗教を超えたリーダーシップが、市民の分断を和らげ、結束を生み出せるかが問われている」と述べた。

一方で「私にとって最大の喜びは母親であること」とも語り、4人の子供と家族の支えに感謝を示した。

自身の家族史を踏まえ、ニューヨークの多様な移民コミュニティが世代を超えて街を築いてきたことを忘れてはならないと強調し、「誰一人取り残さない市政」を目指す考えを示した。

施萍