「中国は巨変の前夜にある」
この感覚は、もはや中国国内だけのものではない。世界に暮らす華人、そして各国の人々の間で静かに共有されている。
世界ではいま、政権が揺らぐ国が相次ぎ、戦争や衝突が各地で続いている。長く続いた体制が、ある日突然崩れる光景も珍しくなくなった。経済の行き詰まり、社会の息苦しさ、広がる不満。中国でも、先行きへの不安が日常となり、声を上げることさえ難しい状況が続いている。声を上げられない代わりに、人々は空を見上げる。
中国人は昔から、「天変地異には意味があり、異変は人の世の乱れを映すものだ」と信じてきた。だからこそ、人々は空を見上げる。そこに「何かが変わってほしい」という強い願いを重ねてしまう。
そんな中、中国の空でまたしても異様な光景が現れた。1月8日早朝6時50分ごろ、黒竜江省密山市にある興凱湖で、太陽が同時に四つ見える映像が撮影され、SNSで拡散した。この映像は、中国メディアの「極目新聞」も取り上げており、撮影者によると、この現象は約1分ほどで消えたという。
(中国・黒竜江省密山市興凱湖で撮影されたとされる「4つの太陽」、2025年1月8日)
中国ではここ数年、同じような現象が繰り返し話題になってきた。太陽が二つ、三つ、七つ並ぶ。空が血のように赤く染まる。竜の声のような音が聞こえ、竜の姿のようなものが映像に映り込む。こうした映像が投稿されるたび、コメント欄は決まって同じ言葉であふれる。
「不吉の予兆だ」「共産党は悪いことを重ねてきたから、天が怒っているのではないか」そして必ず現れるのが、この声だ。「天が中共の終わりを世に告げているのではないか」

もちろん、専門家は「自然現象だ」と説明する。それでも、人々は納得しきれない。四つの太陽に託されたのは、恐れだけではない。この世界、この時代が、大きく動くことへの予感。そして、「変わらなければならない」という、言葉にならない願いである。今回も、「4つの太陽」はやがて消えた。だが、中国は確かに、「巨変の前夜」に立っているのかもしれない。
(真っ赤に染め上げられた中国浙江省舟山市の夜空 2024年5月23日夜)


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