米国 中共の攻勢抑止へ フィリピンに追加ミサイル発射装置配備を計画

2026/02/19
更新: 2026/02/19

ドナルド・トランプ政権は2月16日にマニラで実施した米フィリピン高官協議を受け、中国共産党(中共)政権の攻勢を抑止するため、フィリピンにより高度なミサイルシステムを追加配備する計画だ。

米国務省は2月16日、第12回米フィリピン戦略対話に関する共同声明を発表した。

この戦略対話では、経済・政治・安全保障分野の関与拡大と地域同盟国との連携強化を議題とし、米フィリピン両国はインド太平洋地域での抑止力再構築の重要性を強調している。

アメリカとフィリピンは共同声明で、中共が地域の平和と安定、さらにインド太平洋およびそれ以外の経済に悪影響を及ぼしているという認識を表明した。中共が南シナ海で行っている違法・威圧的・攻撃的・欺瞞的活動を非難した。

アメリカは2024年、フィリピン北部に「タイフォン」と呼ばれる中距離ミサイルシステムを配備し、2025年には対艦ミサイル発射装置を追加配備した。中共政府はフィリピンに対しミサイルシステムの撤去を求めたが、フェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領率いるフィリピン政府は要求を拒否した。

共同声明は今後1年間の具体的な防衛・安全保障計画を示し「アメリカの最先端ミサイルおよび無人システムのフィリピンへの配備を継続・拡大する」と同時に「フィリピンの民間・軍事サイバー防衛能力およびサイバー脅威の検知・阻止能力を拡充・近代化する」と誓約した。

2月16日の対話に参加したホセ・マヌエル・ロムアルデス在米フィリピン大使は、両国の防衛当局が今年「改良型」のアメリカ製ミサイル発射装置の配備を協議し、最終的にフィリピンが購入を選択する可能性があると述べた。

この「改良型」のアメリカ製ミサイル発射装置に関して、ロムアルデス大使はAP通信に対し「この種のシステムは極めて高度であり、将来的にフィリピンが独自に取得できるようになることを期待してここに配備する」と語った。

また米陸軍が2024年4月にフィリピン北部のルソン島へ配備したタイフォン・ミサイルシステムと、2025年4月に配備した海軍・海兵遠征船舶阻止システム(NMESIS)が現在もフィリピンに留まっていると説明。米ミサイル配備について「純粋に抑止目的である」としたうえで「中国側の威圧行動が続くほど、この種の装備を保有する決意が強まる」と述べた。

米フィリピン戦略対話は2011年に初めて開催され、前回は2024年4月に開催した。

2月16日の共同声明は、両国が主権・領土保全・国際法・紛争の平和的解決への相互尊重に基づき、自由で開かれ繁栄し、安全なインド太平洋を維持するという揺るぎない関与を強調した。

共同声明によると、両国は紛争防止のためインド太平洋で警戒態勢を維持し、海上交通路を開放的に保ち、一国の恣意的支配に服させないため、抑止と併せた強力な措置を発展させると誓っており、また第1列島線のいかなる場所でも攻勢を拒否・抑止するうえで集団防衛が重要であるとしている。

最近、フィリピン政府は、中共政府がフィリピン船舶への体当たりや放水砲使用、航空機へのフレア発射を行ったと非難しており、多くの事案は南シナ海の係争地サビナ礁周辺で発生している。

2025年10月、中共海警船が南シナ海でフィリピン政府船に衝突した事案を受け、アメリカは1951年米フィリピン相互防衛条約を引用し、フィリピン支援を再確認した。

当時のトーマス・ピゴット米国務省報道官は、同条約が南シナ海のいかなる場所であってもフィリピン軍、公船、航空機(沿岸警備隊を含む)に対する武力攻撃に適用すると説明した。

九州南部から台湾、フィリピン、マレー半島に至る第1列島線は、中共海空軍の太平洋へ容易な進出を阻む戦略的障壁とみなしている。

2月16日の共同声明は、2024年以降の重要な進展として、2025年にワシントンで行われたトランプ大統領とマルコス・ジュニア大統領の会談や、フィリピンが2025年10月に署名した米主導の宇宙協力枠組み「アルテミス合意」の参加国になった事を挙げている。両国は台湾海峡の平和と安定維持の重要性でも一致した。

中共は2025年末に台湾周辺で2日間にわたる大規模軍事演習を実施しており、アメリカ政府とフィリピン政府を含む国際社会の批判を招いた。フィリピン通信によると、当時のフィリピンのギルベルト・テオドロ・ジュニア国防相は中共の行動は地域の平和と安定を損なうと指摘した。

台湾在住のジャーナリスト。米国、中国、台湾のニュースを担当。台湾の国立清華大学で材料工学の修士号を取得。