2026年2月24日、日本経済団体連合会(経団連)の筒井会長は定例記者会見において、中国商務省が日本の20の企業等に対して軍民両用(デュアルユース)品目の輸出を禁止すると発表したことについて見解を示した。
筒井会長は、1月6日の輸出管理強化に続き、今回の措置がわが国の特定企業に限定して講じられたものであると理解しており、「極めて遺憾であり、撤回を求めたい」と強く反発した。経団連内での事前の情報共有はなく、会長自身も報道で初めて知るほど突然の出来事であったと明かしている。
また、輸出禁止の対象リストに掲載された企業のレピュテーションリスク(風評被害)については、厳しい国際情勢下において防衛や安全保障の重要性が国民に広く認識されていると指摘した。加えて、科学技術の面でも軍民両用技術の重要性が国内で共有されつつある状況であるため、リストに掲載されたからといって一般的に企業へレピュテーションリスクが発生するような地合いではなくなってきているとの見方を示した。
今回の措置の背景として、中国側は日本の軍事力強化等の抑制を理由として挙げている。これに対し筒井会長は、平和主義か産業発展かという二元論で捉えるべきではないと論じた。リアリズムの観点から日本の安全保障の重要性は一層高まっており、経団連としても「科学技術立国」を目指す中で軍民両用技術を射程に入れる必要があるとの立場である。 また、高市政権も同じ方向を目指していると理解を示したうえで、日本だけが世界で突出して軍事力強化に傾いているわけではないと強調した。中国の措置は「世界のリアリズムの中の現象」として捉える必要があるとしつつも、重ねて遺憾の意と撤回を求める姿勢を示している。
今後の状況について筒井会長は、これまで政治的に非常に難しかった局面が経済面にも波及したと分析している。そして、今後は実際の企業活動等にも影響を及ぼす可能性がある新たな段階に突入したと予測している。 事態への対応策として、政府に対しては中国共産党政権への適切な申し入れを行うとともに、対象企業にどのような具体的な影響や事態が発生するのかを官民双方でしっかりと情報共有していくことが重要だと訴えた。また、今後の事態打開に向けた見通しとして、日米間の強固な同盟関係を基盤に解決に向かう可能性もあると言及している。 政治的対立が経済活動へ影響を及ぼす段階に入ったからこそ、あらゆるレベルや分野における意思疎通と対話がこれまで以上に重要となる。常に対話にオープンであると発信している高市首相と同様に、経済界としても対話に向けた糸口を探っていく決意を示した。
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