令和8年3月10日、総理大臣官邸において、高市総理の出席のもと、「第20回犯罪被害者等施策推進会議」が開催された。本会議では、今後の犯罪被害者等支援の新たな政府方針となる「第5次犯罪被害者等基本計画案」が決定されたほか、児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく被害児童の保護施策の実施状況に係る検証・評価についても議論が行われた。
第5次犯罪被害者等基本計画の概要
今回決定された「第5次犯罪被害者等基本計画」は、令和8年度からの5か年を対象とする政策パッケージである。計画の基本方針として、以下の4点が掲げられている。
- 尊厳にふさわしい処遇を権利として保障すること
- 個々の事情に応じて適切に行われること
- 途切れることなく行われること
- 国民の総意を形成しながら展開されること
また、具体的な支援を推進するための重点課題として、次の5つが設定された。
- 重点課題第1:損害回復・経済的支援等への取組 犯罪被害給付制度の改善や、犯罪被害者等支援弁護士制度の運用充実などによる負担軽減を図る。
- 重点課題第2:精神的・身体的被害の回復・防止への取組 トラウマインフォームドケアの推進による二次的被害の防止や、被害回復の促進を目指す。
- 重点課題第3:刑事手続等への関与拡充への取組 公判前整理手続への関与の在り方の検討や、少年審判・医療観察審判の傍聴制度の充実を図る。
- 重点課題第4:支援等のための体制整備への取組 地方におけるワンストップサービス体制の整備・充実や、支援コーディネーターの養成、財政支援などを行う。
- 重点課題第5:国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組 各種広報啓発の強化や、事業主の理解・休暇制度の導入促進などを進める。
被害児童の保護施策に関する検証・評価
会議では、児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童の保護施策についても検証・評価の案が示された。SNSに起因する被害が高水準で推移し、特に小学生の被害が増加傾向にあることや、生成AI技術を悪用したディープフェイクポルノの被害が発生している現状が報告された。これに対し、関係機関が連携して被害の未然防止や迅速な保護、児童のSNS使用に関するリテラシー向上のための広報啓発活動を推進していく必要性が確認された。
「途切れない支援」の実現に向けて
会議のまとめにおいて高市総理は、犯罪被害者等の「権利」を記した基本法の成立から20年以上が経過した現在も、依然として支援を求める多くの声が寄せられている現状に言及した。総理は「犯罪被害に遭われた方には、お一人で悩むことなく、つらさや思いを周囲に安心して伝えられる、優しく思いやりのある社会を我々全員が一丸となって築いていく必要がある」と強調し、関係閣僚に対して各施策を強力に推進するよう指示を出した。

さらに高市総理は、同日のXへの投稿でも、犯罪被害に遭われた方々のための施策を強力に進めていく決意を改めて発信している。投稿では、会議の委員であり自身も犯罪被害者遺族である和氣みち子氏から被害者らのメッセージ集「証」を受け取ったことを報告。先の見えない不安を抱える被害者のため、支援機関の間を取りもつ「コーディネーター」の配置や、支援経過などを記録する「被害者手帳」の取組を通じて手続的・心理的負担を軽減し、「途切れない支援」を届ける仕組みづくりを進めるとしている。
また、福岡県の高校生が考案した「わたしにも できる支援が ここにある」という標語を紹介し、犯罪被害者等支援のシンボルマーク「ギュっとちゃん」とともに、社会全体で犯罪被害に遭われた方々を支えていく政府の姿勢を力強く表明した。
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