日本のレアアース脱中国化新段階!オーストラリア・ブラジル連携

2026/03/20
更新: 2026/03/20

ローウィ研究所が3月19日発表:日本、JOGMEC経由でオーストラリアLynas社と2038年契約延長、ブラジルGoiás州と協力。レアアース供給網の脱中国化が新局面。中国依存脱却へ経済安保強化。

地政学的な対立が一層先鋭化するなか、中国へのサプライチェーン依存を抱える日本企業は、段階的に「脱中国化」を進めている。著名な国際関係シンクタンクは、日本政府が最近、オーストラリアとブラジルで複数の重要な取り組みを推進していることについて、「日本のレアアース供給網の『脱中国化』戦略が新たな局面に入った」ことを示していると指摘している。

シドニーに拠点を置くローウィ研究所(Lowy Institute)は3月19日、「『脱中国化』する日本のレアアース供給網――オーストラリアとブラジルが関与」と題する論評(以下「論文」)を発表した。論文は「日本政府は独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じて、最近オーストラリアとブラジルで複数の重要施策を進めており、安定的で『脱中国化』されたレアアース供給体制を構築する戦略が新たな段階に入ったことを示している」と述べている。

Lynas社とJAREの長期契約詳細:NdPr5000トン確保

3月10日、オーストラリアの主要レアアース生産企業ライナス・レアアース社は、日本との新たな協力合意を発表した。同社は日豪レアアース(JARE)との供給契約を2038年まで延長する。JAREは双日(Sojitz)と日本のエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が共同出資して設立した合弁企業である。

契約によれば、JAREはライナス社から年間5000トンのネオジム・プラセオジム(NdPr)を、1キログラム当たり最低110豪ドル(約1万1千円)で購入する。またJAREは、永久磁石や先端電子製品に用いられる重希土類類元素のジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)など、ライナス社の重希土類製品の50%を購入する。つまり日本は、同社の重希土類生産量のおよそ75%を確保した形である。ライナス社は2024年5月、中国以外で初めて重希土類酸化物を分離生産した企業となり、重希土類の非中国供給における中核的存在となっている。

中国依存のリスクと脱中国化の意義

論文は次のように指摘している。「このような重要鉱物に高度に依存する日本にとって、これは単なる商業契約の継続ではなく、今後数十年にわたる産業供給網の『保険機構』といえる」「日本にとって、これらの元素はハイエンド産業および防衛サプライチェーンの強靱性に、より直接的な影響を及ぼす」。

さらに論文はこう述べる。「日本はもはや中国以外の代替供給源を受け身的に探す段階を脱し、地政学的衝撃に耐えうるレアアース供給体系を積極的に形成し始めている。これは日本が、単に供給源の多様化を図るだけでなく、政策主導により市場メカニズムを超えた安定的枠組みを構築し、中国が価格操作を通じて市場を支配する余地を縮小させようとしていることを意味する」。

日本の高市早苗首相は昨年11月、日本が台湾有事に巻き込まれる可能性について言及した。中国共産党はこれに対し、日本へのレアアース輸出制限を示唆して日本側を威嚇した。

ブラジルGoiás州協力:世界2位埋蔵量の戦略拡張

オーストラリアでの進展に加え、JOGMECは3月、ブラジル・ゴイアス州(Goiás)とも協力覚書を締結した。論文はこれについて、「既存の供給国から、潜在力を持つ新興鉱区へと日本のレアアース戦略を拡張する動きだ」と説明する。

論文はさらに続ける。「ブラジルはおよそ2100万トンのレアアース埋蔵量を有し、世界第2位であり、中国に次ぐ規模だ。その量は米国の10倍以上である。ゴイアス州の大規模鉱山は2024年に正式操業を開始したが、日本はすでに早期段階から関与を深め、レアアース採掘・供給分野での協力を強化することで、単一供給網への依存度を下げようとしている」。

「全体として、日本がオーストラリアとブラジルで同時に展開している動きは、経済安全保障戦略の成熟を示している。すなわち日本は、もはや受け身的に中国の代替策を探す段階を脱し、地政学的衝撃に耐えうる、特定の国家に支配されにくいレアアース供給体系を積極的に形づくり始めている」。

ローウィ研究所は、オーストラリアを代表する国際関係シンクタンクの一つであり、研究分野は米中関係、インド太平洋戦略、貿易および供給網(レアアースなど)、安全保障・軍事問題など多岐にわたっている。

李思齊