中国共産党にとって、新たな五カ年計画は本来、経済の方向性を修正するためのものである。最近発表された第15次五カ年計画も、その役割を果たしたと主張している。もちろん、過去のすべての計画と同様に、これはあくまで「願望」を記したものであり、実務的な運用指針ではない。北京が経済をどこへ導きたいかを示してはいるが、そこへどう到達させるかについては記されていない。
この最新の計画には、新しい内容はほとんど含まれていない。驚くことではないが、中国の指導者である習近平が数年前から推進してきた目標や政策と、ほぼ同じ内容が強調されている。
4つの広範な目的
細部や特有の党用語を除けば、この計画は主に4つの目的を掲げている。
技術のアップグレード: 人工知能(AI)などの分野で躍進を遂げ、米国を追い抜くことを目的とした、ここ一年の取り組みを継続すること。
国家による統制と遵守: 計画全体を通じて繰り返される一貫した主張である。
国際的地位の向上: 外交、商業、金融の面で中国の地位を高めること。特に、米ドルの「国際通貨(グローバル・リザーブ)」としての役割を奪うべく、デジタル人民元の世界的普及を狙っている。
国家安全保障: すべての目標は、習近平指導部が長年執着してきた「国家安全保障」の文脈で構成されている。
今回の技術推進の方針は、あらゆる点で2022年以降の路線を継続したものだ。ここ数年の「技術至上主義」とも言える姿勢は、重工業の発展やグローバルな供給網(サプライチェーン)への組み込みを最優先していた第13次・第14次計画のころとは、明確に一線を画している。
今回の計画でも過去の重点項目への言及はあるが、基本的には最近の政策を踏襲している。AI、量子コンピューティング、先端半導体、ITサービス、ソフトウェア、電気自動車、バイオ医療などの技術向上を強調している。そのために、国有・民営を問わず中国企業に対して海外投資を促し、投資を通じて「先進的な成功事例」を吸収するよう促している。特に、国内需要の拡大を後押しするような、革新的技術をビジネスへとつなげるノウハウ(商業化)を学ぶことが狙いだ。
統制と国際標準の拡大
習近平体制下の中国を観察してきた者にとって、計画における「統制」の強調は驚くべきことではない。文書全体を通じて、当局による監視の必要性と、特に海外投資を行う企業がすべての規制を厳格に遵守する必要性が説かれている。また、海外での資産や知的資本を保護するためのメカニズムや機関への投資の必要性も強調されている。計画ではこれらを「サービスネットワーク」と呼び、法務、会計、監査、格付け、仲裁、紛争調停などの分野を強化するよう求めている。
中国の国際的地位を高めようとする意図も明白である。技術的・産業的な慣行や規制構造について、「中国標準の海外適用」の推進を語っている。この取り組みにおいて、北京の計画策定者は香港に重要な役割を与えた。中国の対外投資の約60%はすでに香港に向かっており、その額は米国向けの20倍近い。この傾向は新計画でも維持されている。
北京は香港を、投資、銀行、資産運用、そして法務や紛争解決のグローバルハブにしたいと考えている。この一環として、デジタル人民元を国際通貨および価値貯蔵手段として普及させる意図も明示された。
一帯一路の継続
これらは、「一帯一路(BRI)」への継続的な注力と矛盾するものではない。新五カ年計画では、この構想が引き続き中国の対外投資の中核であることが示されている。ただし、この分野では技術や法務、金融サービスはほとんど強調されていない。BRIの参加国の多くは経済発展の途上にあり、依然として交通インフラ整備が主流だからである。それでも計画では、従来よりも「高品質」なプロジェクト、つまり中国の目的や「参加国の戦略」により合致したプロジェクトを重視するとしている。
今回の新計画が過去の五カ年計画と大きく異なっている点は、実は「中身に新しさがない」という点にある。ここには、2022年のゼロコロナ政策終了以降、北京が執拗に繰り返してきた方針がそのまま盛り込まれているに過ぎない。中国情勢の観察者や本コラムの読者にとっては、もはや見慣れた「いつものパターン」と言えるだろう。

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