中国では今、親が子供にこう言い聞かせている。「今の世の中は危ない、人混みはできるだけ避けなさい」。
かつて当たり前だった日常の風景に、目に見えない緊張が広がっている。街中で突然、人が人を襲う。そんな出来事が各地で相次いでいる。いったい何が起きているのか。
2026年4月22日、湖北省恩施市の街中で、昼間の人通りが多い時間帯に、高齢の男性が通行人、とりわけ子供にあえて近づき、すれ違いざまに体を寄せながら手に持った尖った物で突く行動を繰り返す様子が確認された。被害を受けたとみられる人は複数にのぼる。

同じ4月22日、黒竜江省ハルビンでは、高齢女性が幼稚園の運動スペースにガラス片をばらまく事案が報じられた。子供が活動する時間帯と重なっており、けがにつながりかねない危険な行為だった。
また同日、広東省恵州市では、男が刃物を持って通行人を次々と襲い、少なくとも1人が死亡、複数人が重傷を負ったと、現地住民が本紙の取材に対し明らかにした。
一方、車両や重機を使った突発的な衝突事件も相次いでいる。4月、甘粛省酒泉市では、赤い服の男がトラクターを運転し、道路を逆走しながら車や歩行者を追い回した。乗用車を路肩に押し付けるように何度も衝突させた後、逃げる人々に向かって突進する様子も確認されており、現場は一時騒然となった。

さらに、4月20日には四川省成都市の学校前で白い乗用車が人々に突っ込み、当局は5人が負傷したと発表したものの、本紙の取材では死者が出ている可能性も指摘している。
また、3月29日には北京市房山区の露天市場で、男がショベルカーを操作して屋台や人々に突っ込み、狭い通りを行き来しながら無差別に衝突を繰り返した。少なくとも13人が死亡、12人が負傷した。

以上に挙げたのは、海外に流れ出たほんの一部にすぎない。体制内部の関係者は本紙の取材に対し、中国では刃物による傷害事件が毎日数百件発生し、そのうち無差別に人を襲うような悪質な事件も数十件に上ると明かした。多くは外に出る前に情報が抑え込まれているという。
こうした状況に対し、中国国内だけでなく海外の中国出身者の間でも、「中国はなぜこんな状態になってしまったのか」との声が絶えない。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。