アフリカのコンゴ民主共和国で発生した新たなエボラ出血熱の流行は、その規模と拡大速度によって国際保健機関の強い警戒を招いている。現在、この感染拡大の推移や、アフリカ中部との人員往来が頻繁である背景の下、中国がどれほどのリスクに直面しているのか関心が集まっている。
アフリカのコンゴにおけるエボラ流行は現在、「急速に拡大」しており、国家レベルではすでに「極めて高い」リスクを構成している。今月22日、世界保健機関(WHO)はコンゴ国内のリスク評価レベルを「高」から「極めて高い」へ引き上げた。一方、地域レベルでの感染拡大リスクについては「高」のまま維持している。
WHOのテドロス事務局長は、現在確認されている感染者数は氷山の一角にすぎず、「実際の流行規模ははるかに大きい」と率直に述べた。
時事評論家の唐浩氏は、「WHOは現時点で、エボラウイルスが国際的に拡散するリスクは比較的低いと見ている。しかし、この流行は実際には2か月前にはすでに始まっており、このような潜在的感染の範囲は、推定も追跡も極めて困難で、すでにウガンダなど周辺国にも広がっている」と指摘。
そのうえで、「さらに懸念されるのは、エボラの潜伏期間が最長21日に及ぶため、多くの保菌者がすでにコンゴを離れ、世界各国へ分散している可能性があることだ」と語った。
国際保健機関は、「鉱山労働者の移動、越境商人、乗り継ぎ航空路線」などが国境を越えた感染拡大を引き起こす可能性を懸念している。
現在、中国はアフリカの学生にとって重要な留学先の一つとなっており、多くの大学がコンゴの若者を受け入れて学位取得を支援している。中国共産党によるアフリカでの巨大な鉱業投資に伴い、多くのコンゴ人が中国へ商業活動に訪れているだけでなく、ますます多くの中国企業や労働者もコンゴへ進出している。
中国とアフリカ間の人の往来が頻繁な中、中国がどれほどのリスクに直面しているのかに注目が集まっている。
唐浩氏は、この感染流行が世界的大流行へ発展するかどうかについて、今後2週間が重要な観察期間になると考えている。
唐浩氏は、「中共当局はコンゴに常駐する華僑の人数を公表していないが、民間の推計では約1万5千人から5万人が長期滞在しており、多くは現地の鉱業に従事している。しかし、鉱業の衛生条件は往々にして劣悪で、生活様式も軍隊のような集団生活が中心であるため、ウイルスの大規模拡散に有利な環境となっている」と述べた。
米陸軍研究所の元ウイルス研究員・林暁旭氏は、「コンゴやウガンダなどの国々は、中国と鉱業、建設、貿易、インフラ整備、留学生交流などの面で長期的な結びつきがある。もし潜伏期間中の中国人が中国へ帰国すれば、感染症が持ち込まれる可能性が存在する。その可能性は、他の多くの国よりかなり高いかもしれない」と指摘した。
現在までに、エボラ流行はすでに3か国へ拡大し、地域間感染や隔離線を越えた感染が発生しているほか、防護装備を着用していた医療従事者の感染例も出始めている。林暁旭氏は、現時点で3つのポイントに注意が必要だと述べた。
林暁旭氏は、「第一に、アフリカから帰国した人が、初期症状として一般的な発熱、下痢、倦怠感などを示した場合、普通の風邪や腹痛などと誤診される可能性がある。第二に、医療従事者が患者の渡航歴を適時把握できなければ、通常診療の中でこのウイルスに曝露する可能性がある。第三に、付き添い看護、家庭での介護、あるいは遺体処理は、エボラ感染が広がる高リスク環境であり、WHOが今回の流行を国際的な懸念事項と位置付けている理由でもある」と述べた。
WHOによると、今回流行しているウイルス株の致死率は50%に達している。さらに厄介なのは、既存のエボラワクチンがこの稀なウイルス株に対して比較的限定的な効果しか持たないことであり、防疫と臨床治療の難易度を大きく高めている。
林暁旭氏は、現在の急速な発展傾向から見て、2014~15年の流行規模を超える可能性が高く、深刻な地域的公衆衛生危機を引き起こすと予測している。
林暁旭氏は、「主な理由は、エボラが主として患者や死者の血液、嘔吐物、下痢便、体液、その他の汚染物との接触によって感染するためであり、新型コロナのように無症状感染者や潜伏期間中の空気感染によって急速拡散するタイプではないからだ」と説明した。
唐浩氏は、「中共が2020年の新型コロナ流行を隠蔽したことは、世界に深刻な教訓を与えた。われわれは再び同じ過ちを繰り返してはならない。虚偽情報や真実の隠蔽は、しばしばウイルスそのものより恐ろしい破壊力を持つ」と語った。
唐浩氏は、「中国とコンゴ両国の人の往来は頻繁であり、中国国内ではこれまで大規模な集団感染が発生した経験もない。そのため、すでに保菌者がウイルスを中国国内へ持ち込んでいる可能性を排除できず、それは極めて高い潜在的なリスクである。個人の感染対策としては、中共当局の情報に決して依存してはならない。情報の捏造要素があまりにも多く、良い話ばかりで悪い情報を隠すため、かえって国民の誤判断や命の損失を招く」と述べた。
香港政府は17日、「エボラウイルス病準備・対応計画」に基づく警戒対応レベルの発動を発表した。また米国は18日から、過去21日以内にコンゴ民主共和国、南スーダン、ウガンダを訪れていた米国籍以外の旅券保持者に対し、30日間の渡航禁止措置を実施している。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。