欧州内で強まる対中強硬論 貿易赤字拡大などで対中政策見直し

2026/06/18
更新: 2026/06/18

EU各国の間で、中国共産党(中共)の貿易政策に対し、より強硬な姿勢で臨むべきだとの認識が広がっている。ブリュッセルで開かれている一連の会合では、対中貿易赤字の拡大や中国の過剰生産、市場アクセスの制限などが主要な議題となっている。

近年、EUと中共の間では、貿易不均衡や不公正な貿易慣行をめぐる対立が深まっている。双方は相手側の対応を批判しており、EU内では中国との貿易関係を見直すべきだとの声が強まっている。

欧州内で変わる対中姿勢

政治専門メディア「ポリティコ」が6月16日に報じたところによると、EUのマロシュ・シェフチョビッチ通商担当欧州委員は6月15日、EU外相会合後に「中国との貿易関係は、見直しが必要な時期に来ている。これは対立ではなく、再均衡を図るためのものだ。現状は経済的にも政治的にも持続不可能だからである」と述べた。

同氏は、2025年のEUの対中モノ貿易赤字が3600億ユーロに達し、現在もさらに拡大していると指摘した。EU最大の経済大国であり、長年の輸出大国であるドイツでさえ、直近では中国との貿易で赤字に転じている。

EU加盟国首脳は6月18日から19日にかけて、ブリュッセルで首脳会議を開く予定である。EUのある外交官は、EU内部での協議について「より強硬な立場を取る方向で、各国の足並みが徐々にそろいつつある」と明らかにした。一方で、こうした政治的な合意を具体的な政策にどう落とし込むかは、EUが直面する課題だとも強調した。

EU、対話と圧力の二本立て戦略

貿易赤字の悪化を受け、欧州委員会は二本立ての戦略を進めている。一方では北京との対話を強化し、他方では必要に応じて行動に出る姿勢を示している。

欧州委員会はすでに複数の貿易調査を開始しており、新たな貿易防衛措置の導入も検討している。中共による不公正な貿易慣行への圧力を強める狙いがある。

フランス、イタリア、オランダ、リトアニア、ポーランドも最近、不公正な貿易慣行を取る貿易相手に対し、EUがより強硬な立場を取るよう求める立場文書を相次いで支持した。

フランスが主導したこの立場文書は、より広範なセーフガード措置の活用を求めるとともに、輸出業者が国外に生産拠点を設けることで関税を回避する行為を防ぐ措置も促している。

中共は強硬姿勢を崩さず

一方、中共は強硬姿勢を崩していない。外国企業の市場での競争余地を狭める措置を取りつつ、貿易戦争も辞さない姿勢を示している。

中共は先ごろ、北京で予定されていたEUとの高官級対話2件を突然取り消した。これには、デジタル分野をめぐる閣僚級協議と、EU対外活動庁のオロフ・スクーグ副事務総長が出席する予定だった会合が含まれていた。

今月初め、中共商務省の凌激副部長兼国際貿易交渉副代表はブリュッセルを訪れ、EU側と協議を行った。6月末に予定されている王文濤商務相とシェフチョビッチ氏の会談に向けた準備である。

事情を知る関係者によると、協議は数時間に及んだという。凌激は会談の中で、EU通商総局のディッテ・ユール・ヨルゲンセン局長に対し、EUに貿易戦争を引き起こす意図があるのかと直接質問した。

ヨルゲンセン氏は、それはヨーロッパの意図ではないと説明した。

高杉