台湾 無人艇25隻を調達計画 中共の海上圧力に対応

2026/07/17
更新: 2026/07/17

台湾は、海巡署向けに数十隻の海上無人艇を調達する方針を固めた。アメリカの技術を活用し、防衛能力の強化を急ぐ。周辺海域で拡大する中共の活動に対応する狙いがある。

「日経アジア」によると、事案の性質上、匿名を条件に取材に応じた台湾政府高官は、政府が国家中山科学研究院を通じ、海巡署向けに海上無人艇25隻と無人水中航走体2隻を調達する計画だと述べた。

同高官によると、国家中山科学研究院はアメリカ企業Maritime Tactical Systems(MARTAC)と協力する。

関係者は、2027年上半期までに少なくとも1隻の試作艇を完成させ、試験を行うことを目標にしていると説明した。ただし、この計画はまだ「初期段階」にあるという。

同高官は、中共が最近、台湾東部沖や離島周辺の海域で巡視活動を続けていることを踏まえ、「わが国の海巡署に海上無人艇とと無人水中航走体を配備することは、周辺海域で厳しさを増す安全保障上の課題に対応するうえで重要だ」と強調した。

頼清徳総統は、中共の急速な軍備拡張に対応するため、台湾の海上防衛と安全保障能力の改革・強化を政権の重要課題に掲げている。

台湾や日本、その他の国々がたびたび抗議しているにもかかわらず、北京は最近、台湾周辺の海空域での軍事活動を台湾東方の海域へと拡大している。中共は、「法執行」と称する任務も繰り返している。

こうした動きにより、中共が将来、台湾を封鎖して強い圧力をかけ、主権の放棄を迫るのではないかとの懸念が広がっている。こうした緊張は、世界の海上輸送にも深刻な影響を及ぼしかねない。

無人艇などの無人装備は、頼氏が掲げる非対称防衛戦略の重要な要素とみなされている。目的は、規模で勝る中共軍を抑止することにある。

台湾の政策決定者は、ウクライナの戦訓を注視している。ウクライナ軍はロシアとの戦争で、無人艇を使い、ロシア黒海艦隊にたびたび大きな打撃を与えてきた。

無人艇などの無人装備は、米イラン情勢でも注目されている。報道によれば、米軍は数日前、無人艇を使ってイランの港を攻撃したとされる。

MARTACはフロリダ州に本社を置く防衛技術企業で、無人水上艇と関連システムを手がけている。

MARTACは昨年9月、国家中山科学研究院と協力協定を結び、AIによる目標識別と協調作戦能力を備えたUSVの共同開発を進めている。

台湾の主要な兵器システム研究開発機関である国家中山科学研究院は、海上防衛分野でアメリカ企業との協力を広げている。Saronic Technologies、Anduril Industries、Shield AIなどとも協力している。