中国 バッテリー異常が相次ぐも、メーカー側は公式な説明やリコールを発表していない

配車アプリ御用達EVで電池故障続出 22万台販売

2026/07/19
更新: 2026/07/19

中国で「配車アプリの営業車の定番」として普及した電気自動車に、深刻なバッテリートラブルが相次いでいる。走行中に突然動かなくなるケースが続出し、「爆発するのではないか」と不安を訴える車主も現れている。

問題となっているのは、中国の自動車大手・広州汽車集団(GAC)が展開する電気自動車(EV)ブランド「AION(アイオン、埃安)」の主力車種「AION S」シリーズ。

中国メディアによると、2022~23年製の一部リチウムイオン電池で、電池が膨らむ、液漏れする、絶縁性能が急激に低下するなどの異常が相次いで確認された。第三者機関の調査では、事故や浸水などの外的要因ではなく、電池内部の製造上の欠陥が原因とみられている。

車主からの苦情では、最初は航続距離が急激に短くなり、その後、警告灯が点灯。最終的には走行中に突然電源が落ちて立ち往生するという共通した症状が報告されている。

問題が確認された車両の多くは、2022~23年製のバッテリーを搭載し、走行距離は15万~25万キロに達した営業車だった。

配車アプリの運転手の一人は、「ローンがまだ残っているのに電池が故障した。交換には3万元(約60万円)以上かかる。車が動かず収入もなくなったのに、毎月ローンだけは払わなければならない」と窮状を訴えた。

別の車主は、「故障よりも怖いのは、走行中にバッテリーが爆発することだ」と恐怖をあらわにした。

AION Sシリーズは2023年に約22万台を販売した人気車種で、中国の配車アプリ市場を支える代表的なEVとして普及した。搭載されている電池は、中国の大手バッテリーメーカー「中創新航」が製造したものだ。

しかし現在まで、車両メーカーとバッテリーメーカーは公式な説明やリコールを発表しておらず、多くの利用者が不安を抱えたまま運転を続けている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!