「私のカラコンは一日つけても快適」
中国で、AIで作られた女性キャラクターがカラコンを実際に使ったかのように宣伝し、物議を醸している。
問題になったのは、人気AI短編ドラマ『被裁掉的女孩(邦訳:リストラされた少女)』のヒロイン「方桃子(ファン・タオズ)」の広告だ。同作はネットで累計2億6000万回再生されるヒット作となっている。
その人気は、早くも大きな「稼ぐ力」に変わっている。方桃子は登場からわずか1か月でフォロワー40万人を突破。60秒の広告価格は日本円にして600万円を超え、100万人以上のフォロワーを持つ一部の実在インフルエンサーを上回るという。
ところが、ここに大きな問題があった。
どれほど人気があっても、方桃子はあくまでAIが生み出した架空の人物である。当然、カラコンをつけることも、そのつけ心地を感じることもできない。
それにもかかわらず、広告では「私のカラコンは一日つけても快適」と、まるで自分で商品を使ったかのように語っていた。
中国メディアの取材に応じた弁護士によると、そもそもカラコンは中国では医療機器に分類されており、法律上、広告で著名人などに商品を推薦・保証させることは禁止されている。
そのうえ今回のケースでは、実際には商品を使うことのできないAIが「使って快適だった」などと、あたかも自ら使用したかのように語っている。弁護士は、こうした表現は中国の広告法が禁じる「虚偽広告」に当たる可能性があると指摘した。
問題の広告が公開されると、ネット上では「AIに使用感が分かるはずがない」などと批判が広がり、動画は8月6日に削除された。
AIが人間に代わって商品を売る時代は、すでに始まっている。
だが、AIに「使ってみた」「おいしかった」「効果があった」と、存在しない体験まで語らせていいのか。
今回の騒動は、AIが広告塔になる時代の新たな問題を浮き彫りにしている。
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