中国 スパイ警戒が生んだ思わぬ騒動

中国で市民に広がる「スパイ探し」 飛行機を撮ったら「日本のスパイ」?

2026/08/14
更新: 2026/08/14

飛行機を撮っていただけなのに、まさかの「日本のスパイ」扱い。中国・四川省成都で、飛行機好きの男性が配車ドライバーに疑われ、そのまま警察署へ連れて行かれる騒動があった。

8月4日、男性は成都の空港近くで旅客機を撮影し、次の撮影場所へ向かうため配車アプリで車を呼んだ。ちょうど撮影を終えたところに車が来たため、カメラをバッグにしまう暇もなく、そのまま乗り込んだ。

カメラを見たドライバーは「何を撮っていたのか」「なぜ飛行機を撮るのか」と質問。男性は「趣味です」と答えた。

するとドライバーは何も言わなくなり、車は次第に目的地とは違う方向へ。そして着いたのは警察署だった。

ドライバーは男性を「日本のスパイではないか」と疑っていた。「日本のスパイが、われわれの飛行機を撮影しているのではないかと思った。調査に協力してほしい」と男性に伝え、そのまま警察に引き渡したという。

警察が事情を確認したところ、男性に問題はなく、すぐに帰された。

中国では近年、政府が市民に「スパイを見つけたら通報するように」と繰り返し呼びかけている。2023年には反スパイ法も強化され、社会全体でスパイへの警戒が強まっている。

ネットでは、「勝手に目的地を変えて警察署へ連れて行くのは問題だ」「そこまでスパイを捕まえたいなら、本職にすればいい」など、ドライバーへの批判が噴出した。

さらに矛先は、社会に広がる「スパイ探し」そのものにも向かった。「平和な時代なのに、なぜ毎日のように敵やスパイの話をしているのか」と、行き過ぎたスパイ警戒への不満が一気に噴き出した。

趣味の飛行機撮影まで「スパイかもしれない」と疑われる。中国で強まるスパイ警戒は、すでに市民の日常に入り込んでいる。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!