上海協力機構首脳会議 習近平は対米カード狙うも 結束に限界

2026/09/02
更新: 2026/09/02

中ロが主導する上海協力機構(SCO)首脳会議が先月31日から今月1日まで、中央アジアのキルギスで開かれた。イランやインドなどの首脳、ロシアのプーチン大統領、中共の習近平も出席した。専門家は、習近平が首脳会議を舞台に米国への対抗姿勢を示し、米国との交渉でより多くの「カード」を得る狙いがあると指摘する。

一方、加盟国はそれぞれ異なる政治体制や利害を抱えており、結束には限界がある。中共が上海協力機構を通じて影響力を拡大し、米欧に対抗する枠組みを構築する狙いの実現は容易ではないとの見方も出ている。

上海協力機構は中ロが主導して設立され、現在はイラン、インド、パキスタンなど10か国が加盟する。これまで反西側の立場を示す発言を相次いで発信しており、北京が米欧に対抗するため構築を目指すユーラシアの枠組みとみる向きもある。

習近平の訪米を控える中、上海協力機構の影響力を利用し、訪米に先立って米国をけん制するとともに、米中交渉で使える材料を増やす狙いがあるとの見方もある。

時事評論家の陳破空氏は、習近平の思惑について「反米陣営を構築し、自分には米国と対抗できるカードがあると示そうとしている」と指摘。その上で、「西側と対抗することは本末転倒で、時間の浪費だ」と述べた。

また、上海協力機構加盟国の多くは発展途上国で、政治体制も権威主義体制と民主主義体制が混在する。国際的な立場や利害も大きく異なる。中共は資金面や指導力で大きな役割を担っているものの、加盟国の利害をまとめ、実質的な成果につなげるのは難しく、習近平の「虚栄心を満たす」程度にとどまるとの分析もある。

上海協力機構内部には加盟国間で利害の違いがある。中露関係でも、中国の影響力拡大をめぐり、両国の思惑に違いが生じる可能性が指摘されている。

民間シンクタンク「インド太平洋戦略シンクタンク」の特別顧問、陳文甲氏は、中央アジアは従来、ロシアが伝統的な勢力圏とみなしてきた地域だと説明する。しかし、ウクライナ戦争が4年以上続く中、ロシアが軍事・経済の両面で制約を受ける一方、中共は投資やエネルギー、インフラ整備、上海協力機構を通じて中央アジアへの影響力を拡大している。

陳氏は「モスクワから見れば、単なる兄弟国による支援ではなく、中共がロシアの裏庭に入り込んでいるということだ」と指摘する。ロシアには現時点で中共と対立する余力はないものの、「長期にわたり中共の二次的なパートナーになることを甘受するはずはない」とし、両国の心理的な隔たりは時間の経過とともに深まる可能性があるとの見方を示した。

今月2日に開かれた主要20カ国・地域(G20)関連会合では、米ロの財務相が会談した。ロシアが米国との関係改善に動けば、中ロ間の矛盾が一段と鮮明になる可能性がある。

陳氏は「中ロ協力の核心は、米国や西側に共同で対抗することにある」と指摘。ロシアが米国との関係改善を模索すれば、「プーチン氏が中共との関係を米国との取引材料にする可能性もある」と分析した。

その上で、「中ロは現在、正式に決裂しているわけではないが、協力が深まるほど相互不信も強まっている」との見方を示している。

中共とインドの関係も不透明さを残している。陳破空氏は、インドが上海協力機構などの枠組みに参加する背景には、ロシアへの配慮があると指摘する。インドとロシアには長年の関係がある一方、中共との間では国境問題などをめぐる対立が続いている。

陳氏は「中印関係には領土問題や敵対感情が存在しており、両国が上海協力機構を通じて緊密な関係を築くのは容易ではない」と指摘した。

新唐人