台湾・香港 外国に対し中国や香港への制裁求めた罪認める 最高刑は終身刑

香港民主化の顔・黄之鋒 出所目前に再び長期刑か

2026/09/03
更新: 2026/09/03

17歳で香港のために声を上げ、「雨傘運動」の顔となった黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏。

20代の多くを獄中で過ごし、ようやく出所が見えていた。しかし新たな罪を認め、最高で終身刑も。

12年で、彼と香港に何が起きたのか。

 

国安法違反で「有罪」へ

2014年の「雨傘運動」で世界に知られた黄氏(29)は、約6年に及ぶ収監を経て、2027年1月には現在の刑期を終える予定だった。しかし、出所を前に新たな刑期が加わる可能性が出てきた。

黄氏は2日、香港高等法院(高裁)で、外国に中国や香港への制裁などを求めたとして、香港国家安全維持法(国安法)違反の罪を認めた。

この罪は通常、禁錮3年以上10年以下。「重大」と判断されれば10年以上、最高で終身刑となる。判決は後日言い渡される。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの中国部門責任者、サラ・ブルックス氏は、黄氏への起訴について、当局が民主化を求める声の広がりを恐れている表れだと批判。長期収監によって、香港の市民活動を封じ込めようとしていると指摘した。

 

9月2日、黄之鋒氏の裁判を傍聴するため、香港高等法院の外で列をつくる市民。(呉鋭略/大紀元)

 

香港のために声を上げた少年

黄氏は10代から民主化運動に参加し、2014年の「雨傘運動」を主導した一人。運動開始時は17歳で、その「顔」として世界的に知られるようになった。米誌「タイム」国際版の表紙を飾り、同誌の「世界で最も影響力のある10代」の一人にも選ばれた。2018年には米議員らからノーベル平和賞に推薦された。

2019年には米議会で香港の人権状況について発言し、「香港人権・民主主義法」の成立を訴えた。中国当局は、こうした黄氏の活動を「反中」として強く批判してきた。

今回の裁判には、傍聴を求めて前夜から並ぶ市民もいた。複数の欧米外交官も傍聴した。

 

9月2日、黄之鋒氏の裁判を傍聴するため、香港高等法院を訪れた各国の在香港領事館関係者。(呉鋭略/大紀元)

 

2014年、黄氏は香港の未来を変えようと街頭に立った。それから12年。民主派勢力は議会でほぼ姿を消し、多くの活動家が収監され、あるいは香港を去った。民主派メディアも相次いで姿を消した。

言論や政治活動を取り巻く環境も一変し、かつて自由と活気で知られた香港について、民主派や海外からは「香港は死んだ」と嘆く声が広く聞かれるようになった。

自分たちの代表を自分たちで選び、自由に声を上げられる香港を求め、青春を懸けた少年は獄中へ。その間に、彼が守ろうとした香港もまた、かつての姿を失っていった。

 

「雨傘運動」を主導した学生リーダーら。左から黄之鋒氏、羅冠聡氏、周永康氏。(ANTHONY WALLACE/AFP/Getty Images)
李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!