中国 「先生は子どもを産むな」

わが子の成績が最優先 産休まで責められる中国の教師

2026/10/23
更新: 2026/10/22

子どもには良い成績を取ってほしい。良い学校に進んでほしい。そんな親の願いが、教師の出産にまで口を出すほどになっている。

中国メディアの21日の報道によると、上海周辺にある児童約6000人、90以上のクラスを抱える大規模な小学校で、新学期が始まってわずか2週間のうちに約40件の苦情が寄せられた。

教育当局から学校に次々と通知が届き、ほぼ毎日のように対応に追われていたという。

中でも驚くのは、担任教師の産休に対する苦情だ。担任が代われば子どもの成績に影響するかもしれないと心配した保護者は、「先生はどうしても子どもを産まなければいけないのか」と抗議。

さらに「新しい先生が妊娠しない保証はあるのか」とまで要求した。つまり、わが子の教育のために、教師自身の出産まで制限しようとする考えだ。

苦情はそれだけではない。学校が教育の一環として児童に交代でトイレ掃除をさせたところ、「こんな小さな子に汚い仕事をさせるのか。先生がやればいい。清掃員を雇うお金もないのか」と通報された。

学校の苦情対応を担当する女性職員は「子ども自身は何とも思っていないことでも、親は過度に心配し、侮辱されたと感じることさえある」と嘆く。

さらに、苦情が事実と違っていても、教師は書面で説明を求められ、会議で事情を報告しなければならない。実際に、苦情を受けて教壇を離れたり、学校を去ったりした教師もいた。

中国のネット上では「自分の子のために、先生は子どもを産むなというのか。あまりにも理不尽だ」「これでは教師も安心して働けない」と批判が相次いだ。

中国では厳しい進学競争の中で、わが子の成績に神経をとがらせる親も少なくない。今回の騒動では、親の不安が教師の出産にまで向けられた。さらに、苦情が事実でなくても教師が処分に近い扱いを受けるなど、学校現場の問題も浮き彫りになった。

子どもの将来を守ろうとする親。その要求に振り回される学校。そして、安心して子どもを産むことさえ難しくなる教師。

成績ばかりを追い求める教育の中で、子どもたちは大人のどんな姿を見て育つのだろうか。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!