中国でペスト死亡者1人を確認 当局は詳細公表せず

2026/11/02
更新: 2026/11/02

10月初旬、ロシアの抗ペスト研究所に勤務する28歳の女性職員が原因不明の肺炎で死亡した。研究所からペストの病原体が漏れ出したのではないかとの疑惑も浮上したが、正確な死因は今も分かっておらず、周辺国は警戒を強めている。

一方、中国共産党(中共)当局は10月末、ペストによる死亡例1件をひっそりと公表した。しかし、詳細は明らかにしておらず、注目を集めている。

中共がペスト死亡例を公表 

10月29日、中国疾病予防控制センターは公式サイトの「全国法定感染症発生状況」で、2026年9月の感染症発生状況を発表した。

発表によると、最も厳しく管理される甲類感染症は計8例で、内訳はコレラ7例、ペスト1例だった。死亡者はペスト患者1人だった。

しかし、当局は患者が確認された具体的な日時や場所など、詳しい情報を明らかにしていない。中国メディアもこの死亡例を報じていない。

中国ではペストは今も根絶されておらず、死亡例も時折報告されている。

2010年以降、中国本土ではペストの散発的な発生が続いており、毎年、少数の感染例が報告される程度だ。主な発生地域は内モンゴル、寧夏、青海、雲南などのペストの自然疫源地で、野生動物との接触や牧畜地域での活動中に感染するケースが多い。

2019年9月、甘粛省酒泉市アクサイ県でペストが疑われる患者1人が報告された。同月29日、敗血症型ペストと診断され、患者は死亡した。

同年11月には、新華社通信が内モンゴル自治区でペスト患者2人が確認されたと報じた。2人はいずれも、人から人へ感染する肺ペストと診断された。

2020年8月、内モンゴル自治区包頭市ダルハン・ムミンガン連合旗の石宝鎮温都不令村にある蘇吉新村で、腸ペストによる死亡例が1件報告された。

2022年には、チベット自治区山南市で肺ペストの感染例が1件報告された。患者は9月24日に発症し、翌25日に死亡した。

2023年には、内モンゴル自治区で1週間のうちに3人のペスト感染が確認された。感染した3人は同じ家族だった。

2024年には、中共の国家疾病予防控制局が、8月にペスト感染者2人が確認され、うち1人が死亡したと発表した。

露ペスト研究所職員死亡 死因は依然不明

ロシアのペスト対策研究所に勤務する28歳の女性職員が10月初め、原因が特定されていない肺炎で死亡し、約200人が隔離や健康観察の対象となった。

WHOが10月10日に公表した報告によると、ロシア側の検査では、ペスト菌など、検査対象となった危険性の高い病原体は検出されなかった。しかし、女性の正確な死因は今も分かっておらず、診断や治療に関する詳しい資料も公開されていない。

ロシア当局は現在も、女性の正確な死因を明らかにしていない。

微生物学の専門家で、米陸軍の研究機関でウイルス研究員を務めた林暁旭博士は、この事件について強い懸念を示した。

林氏は、死亡した女性が若く、危険性の高い病原体を専門に研究する機関に勤務していたことに加え、死因がいまだ分かっていない点も懸念材料だと指摘した。

そのうえで、ロシア側にはより詳しい調査資料を公開し、実際のリスクを国民に知らせる責任があると述べた。

研究所から病原体が誤って漏れ出したのではないかとの懸念が広がり、周辺地域では感染症への警戒が強まった。中国各地でもペストの感染予防に関する注意喚起が行われ、ネット上では未確認の感染情報も広まった。

大紀元は10月17日、四川省成都市双流区に住む孫景陽さん(仮名)の証言を伝えた。

孫さんは16日に、発熱して病院を受診した際、双流区でロシアから帰国した人物が発症後に死亡したという話を医師から聞いたと語った。医師は「ペストと何らかの関係があるかもしれない」と話したという。

一方、双流区疾病予防控制センターの男性職員は、大紀元に対し、同区でペスト患者や死亡者が出たことを否定した。

いっぽい、この職員は「仮に誰かがペストに感染したとしても、どこに入院しているのか、死亡例があるのかといった情報は、私たちの職場の規定では秘密にしなければならない。業務上の秘密に当たるため、外部に勝手に話すことはできない」とも語った。

北京在住の研究者、楊明氏は大紀元に対し、中露では突発的な事件が起きた際、当局が情報を隠す可能性があると指摘した。

また、情報が不透明な状態が長く続くと、かえって人々の不安や恐怖が増すと述べた。

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