中国の鐘南山氏、中共肺炎めぐる一連の発言で信頼失墜か「共産党の代弁者に過ぎない」

2020年03月04日 17時02分

中共ウイルス(新型コロナウイルス)の発生で一躍、有名人になった中国の感染症権威、鍾南山氏。だが、新型ウイルスの感染について信憑性や科学的根拠に欠ける一連の発言で、中国国内から「中国共産党の代弁者に過ぎない」と批判が噴出している。

昨年末に中国当局が感染情報を隠蔽したため、中共肺炎(新型肺炎)が急速に広がり、中国全土や世界各国に蔓延した。この混乱を収拾するため、中国政府はすでに83歳の国家衛生健康委員会ハイレベル専門家グループの鍾南山グループ長を表舞台に押し上げた。 

1月20日、鍾氏は中国国営中央テレビの取材で「人から人への感染がある」と国民に発表した。最初の感染が確認された12月1日からすでに50日間が経っていた。

その後、鐘氏は感染経路が明らかになっていないにもかかわらず、流行は「2月上旬にピークを迎える」と予測し、その後また「2月下旬」に改めた。「操業再開は感染拡大につながらない」や「4月末には流行がほぼ終息する」などと発言した。

中国当局が操業再開を推し進めるために偽のデータを発表し、政府の隠ぺい工作に怒りを感じる市民にとって、鐘氏は、共産党政権の安定化に余念のない中国政府の代弁者にほかならない。 

中共肺炎の発生源、米国に責任を転嫁か

 

鍾南山氏は2月27日に広東省広州市で開かれた記者会見で、「肺炎の感染が始まったのは中国だが、発生源は必ずしも中国とは限らない」と述べた。それに対し、ネット上では「外国に責任を転嫁しようとするのか」といった批判や疑問の声が上がっている。

上海復旦大学付属華山病院感染科主任、上海市新型コロナ臨床治療専門家チームのトップ・張文宏氏は28日、中国政府系英字紙のチャイナデイリーの取材で「外国から中国に伝わった場合、中国の複数都市で同時に発生するはずだ」と鍾氏の話を否定した。同報道はすでに削除された。

鍾氏の発言後、中国共産党の世論操作部隊、五毛党は、ネット上で「ウイルスはアメリカから由来している」や「アメリカは意図的に中国大陸に広げた」「大流行がまもなく発生するが、アメリカが中国よりも危険だ」など偽ニュースやデマを大量に流している。

米国に拠点を置くQ&Aサイト、「品葱(ピンチョン)」に投稿された一つのメッセージには、「これは一つの危険信号だ。共産党政権が『権威』ある専門家を利用し世論の風向きを変えようとしている。彼らはアメリカ、さらに西側世界と全面的な衝突へと向かう準備ができていることを物語る。単なる責任転嫁の動きではない」と書かれている。

鍾氏に関連会社が多く、利害関係を疑問視

台湾・鴻海精密工業傘下の富士康科技集団(フォックスコン)は2月25日、中共肺炎の防疫および操業再開後の安全確保に関する総顧問に、鐘南山氏を招へいしたと発表した。

鐘氏の発言に激怒した一部のネットユーザーは、ネット上で鐘氏に関する情報を集め、不正や腐敗、スキャンダルの証拠を掘り出そうとしている。

複数の中国メディアによると、企業情報のデータベースである「天眼査」を検索したところ、鐘氏の名義で3つの会社が登記されており、そのうちの一つは「広州呼研所医薬科学技術有限会社」と呼ばれ、鐘氏自らが代表取締役についていると分かった。また、もう一人の役員は34社の企業を持っている。同社の全役員に関連する企業は合わせて90社以上に達している。

彼らは「科学技術界の既得権益層」に属し、後ろには莫大な利益が絡んでいる可能性があるとの指摘があった。鍾氏は現在、この話についてコメントに応じていない。

家族のスキャンダルも蒸し返される

その後、鍾氏の息子鐘帷徳氏が中国の国務院から特別奨励金を受領していることもネットユーザーによって公開された。

鍾氏が最近、ある外国メディアの取材を受けた際、鐘帷徳氏も参加し、テレビに映し出された。ネット上では同氏の腰に巻いていたエルメスのベルトが話題となった。

「お坊ちゃまのエルメスベルトが眩しすぎる」「お坊ちゃまは地味なほうじゃないね」「エルメスがお好きで正真正銘の幹部じゃん」などの皮肉めいたコメントが寄せられている。

公開された情報によると、鍾帷徳氏は現在、広州市第一人民病院の主任教授、指導教官で、国務院の特別手当を享受している専門家であるという。

また、鍾氏の娘、鐘惟月氏は中国の水泳選手で、1994年にローマで開催された世界選手権の尿検査で陽性反応が出たため、ドーピング疑惑で中国水泳選手として初めて出場停止となった。

(翻訳編集・王君宜)

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