イランで経済悪化抗議が全国27州に拡大、当局弾圧で35人死亡・1200人拘束。トランプ大統領が「強烈打撃」警告を発令。通貨リアル暴落の裏でメディアの沈黙続く。
アメリカの人権団体「Human Rights Activists News Agency(HRANA)」の情報を引用し、AP通信が報じたところによると、抗議はイラン31州のうち27州に広がり、250か所以上で発生しているという。
一週間以上続く抗議の中で、これまでに35人が死亡。その内訳は、デモ参加者29人、子供4人、治安部隊員2人である。また、1200人以上が拘束された。
イランの準国営通信ファルス通信は1月5日夜、約250人の警察官と、イラン革命防衛隊傘下の民兵組織「バスィージ」隊員45人が抗議中に負傷したと報じた。
トランプ大統領は1月4日、イラン当局が抗議者への暴力的な弾圧を継続する場合、アメリカは「強力な対応を取るだろう」と警告した。大統領は専用機「エアフォース・ワン」上で記者団に対し、「我々は事態の推移を厳しく注視している。もし彼らが過去のように民衆の殺戮を繰り返すなら、アメリカは強烈な打撃を与えるだろう」と述べた。
トランプ大統領は2日にも、平和的なデモ参加者への暴力的弾圧が行われた場合、アメリカ政府は救援の準備があるとイラン当局に警告していた。
1月3日に米軍がベネズエラの独裁者マドゥロ氏を逮捕したことを受け、トランプ大統領の警告は一層の重みを帯びるものとなった。
抗議活動の拡大と死者の増加を受け、アメリカが事態に介入する可能性が高まっている。一方、イラン高官らは、もしアメリカ政府が介入した場合、中東地域に駐留する米軍への攻撃を行うと脅迫している。
イランメディアの沈黙
一方で、イランの通貨リアルは2025年12月に崩壊し、為替レートは1ドル=140万リアル(約5200円)にまで暴落した。これにより抗議の波が全国に拡大し、デモ参加者らは「独裁者を倒せ」と叫んだ。
イランの国営メディアは、この大規模な抗議についてほとんど沈黙を守っている。国内の記者たちは厳しい報道統制に直面しており、取材・移動には当局の許可が必要なほか、嫌がらせや逮捕の脅威にもさらされている。
イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は3日、「暴徒は厳しく制止されなければならない」と述べたが、抗議の勢いは今も衰えていない。
今回の抗議は過去3年間で最大規模の民衆運動である。2022年秋には、当局の服装規定に違反したとして逮捕された22歳の女性マフサ・アミニさんが拘留中に死亡した事件をきっかけに、全国規模の抗議運動が発生している。
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