中共若者失業率16.5%発表も「実態隠蔽」専門家指摘 農民工除外で真の危機露呈

2026/01/23
更新: 2026/01/23

中国共産党(中共)が2025年12月の中国若者の失業率16.5%(4か月連続低下)と発表したが、専門家は「農民工除外で実態を反映せず、隠れ失業が深刻」と批判。大学卒1222万人の就職難が中国経済危機を象徴する。

専門家「農民工除外で現実的でない」中共青年失業率16.5%のカラクリ

中共国家統計局は1月22日、2025年12月の年齢別失業率データを公表した。発表によると、2025年12月時点で全中国の都市部における非在学16〜24歳若者の失業率は16.5%で、前月比0.4ポイント減、4か月連続の減少となった。非在学25〜29歳層の失業率は6.9%で前月比0.3ポイント減、非在学30〜59歳層の失業率は3.9%で前月比0.1ポイント上昇した。

また、2025年12月の全国都市調査失業率は5.1%で、11月と同水準であった。2025年通年の全国都市調査失業率の平均値は5.2%で、目標値の約5.5%を下回ったという。

こうした中共のデータは、調整後の基準による統計である。中国の若者の失業率は2022年から急上昇し、2023年6月には21.3%と過去最高を記録した。その後、当局は若者の失業率の公表を中止したが、2024年1月17日に「非在学者」を対象とした都市部労働力失業率を基準を「調整」した上で再び公表した。大学卒業生の失業は失業率上昇の主要因とされている。中国の大学卒業生数は毎年増加しており、2025年は1222万人に達し過去最高を更新した。

一方、中共国家統計局が算出するいわゆる「全国都市調査失業率」は、31の省・自治区・直轄市から34万人の都市常住人口(居住6か月以上)を対象としたサンプル調査であり、農村の農業労働者は含まれていない。

複数の専門家によると、中共の公式統計は実際の失業状況を正確に反映していないという。

中国問題専門家の王赫氏は大紀元に対し、「中共が統計しているのは都市部の若者の失業率にすぎず、中国の若者の多くは農村に暮らしている。多くの隠れた失業がこの統計には含まれていない」と分析した。

時事評論家の蕭易(しょう えき)氏も寄稿で、「3億人規模に近い集団(農村出身の農民工)が体系的に過小評価、あるいは除外されている」と指摘した。同氏は「多くの農民工(出稼ぎ労働者)は流動人口であり、失業すると農村に戻るケースが多い。そのため、公式基準では失業者とみなされず、統計に含まれない。これにより都市部の失業率は安定して見えるが、実際には隠れ失業が農村へ移転している」と述べた。

隠れ失業の実態 寝そべり族・非労働力人口が示す真の数字

中共発表の失業率データについて、中国資本市場のベテランである徐真氏は大紀元に対し、「労働力人口データだけでなく、非労働力人口のデータ構成にも注目すべきである」と述べた。同氏は「中共の失業率算定では、統計操作によって失業人口の一部を『非労働力人口』へ振り分ける可能性が高い」と指摘する。

具体例として同氏は、「いわゆる『寝そべり族』化した若者、家族に養われている『隠れ失業者』、収入ゼロの『フリーランス就業者』などがその典型である」と説明した。

「これらの層も考慮すれば、16〜24歳の非在学若者の失業率は2023年6月の21.3%を上回る上昇傾向にあるはずであり、決して下降していない。これこそが現在の中国の真の姿である」と同氏は強調した。

中共が「青年失業率は4か月連続で低下」と主張している点についても、徐氏は「おそらく分子を縮小、あるいは分子と分母を同時に縮小させる『技術的操作』の結果であり、経済や雇用市場の改善によるものではない」との見方を示した。

「失業率が連続して下がっているというのは、経済の論理から見て人為的改ざんの痕跡が明らかであり、中共の政治的物語と極めて合致している」と述べた。

中国経済悪化の証拠 3年連続デフレと投資マイナス成長

現在、中国経済の悪化は続いている。王赫氏は最近の寄稿で、「経済全体がすでに揺らいでおり、二つの公式データがそれを示している」と指摘した。一つ目のデータは「3年連続のデフレーション」であり、これは前例のない事態である。二つ目のデータは「全国固定資産投資のマイナス成長」であり、1996年に統計が開始されて以来初のことであるという。

徐真氏は「ここ数年、中国経済は持続的に悪化している。若者たちは将来に希望を見いだせず、中共への信頼も失いつつある。その結果、労働市場から自発的に離脱するようになっている。これは『雇用改善』ではなく、不満と絶望の表れである」と述べた。

王赫氏も「中国経済は現時点で改善の兆しがなく、若者の低い就業率は長期的に続く可能性が高い」と警告した。

若者絶望の未来 中共体制が招く雇用危機の警鐘

具体的な失業率については、北京大学経済学副教授の張丹丹氏が2023年3月、「中国の青年失業率は最大46.5%に達しており、当月中共が公表した19.7%を大幅に上回っていた」と明らかにしている。

王赫氏は「もし経済に革新性や突破的な発展があれば、青年層、特に大学卒業生の就業率は急速に改善するはずだ。しかし、実際には逆の傾向が見られる。これは中国経済全体の悪化と過度競争が極めて深刻な段階にあることを示している。若者たちにはほとんど仕事の機会が残されていない」と述べた。

さらに同氏は、「これは単に一世代を失う問題ではなく、中国経済危機の深刻さを示す警鐘でもある。中共のメディアはこの兆候を軽視しているが、実際には極めて深刻な局面にある」と訴えた。

徐真氏も「経済悪化の根本原因は中共の体制そのものであり、『党による経済統制』という国家体制がすべてを暗闇へ導いている」と述べた。

程静
駱亜
中国語大紀元の記者、編集者。