ドイツで開催中のミュンヘン安全保障会議において、中国側から日本の安全保障政策や歴史認識を批判する発言がなされたことを受け、日本政府は2月14日、公式の場での反論と外交ルートを通じた抗議を行った。
2月14日、同会議に出席した中国の王毅外相は、高市早苗首相が2025年11月、国会答弁で台湾有事が日本の存立危機事態になり得ると示したことに対し、「中国の領土主権への直接的な侵害だ」と強く反発した。王氏はさらに、日本が「いまだにA級戦犯に敬意を払っている」と主張し、「軍国主義の亡霊が徘徊している」などと述べ、日本の姿勢が歴史の教訓を無視しているとのプロパガンダを展開した。
これに対し、同会議に出席していた茂木敏充外相は、その後のセッションですぐさま反論を行った。茂木外相は王氏の発言について「事実に基づいていない」と断言し「日本は戦後一貫して平和国家としての道を歩んでおり、国際社会の平和と安定に貢献してきた」と強調した。
また、外務省は外交ルートを通じても厳正な申し入れを行った。金井正彰アジア大洋州局長が在日中国大使館の施泳次席公使に対し、発言は不適切であるとして抗議した。
外務省は今回の事態を受け、改めて日本政府の立場を明らかにした。日本の防衛力強化は、厳しさを増す安全保障環境に対応するためのものであり、特定の第三国を対象としたものではないとしている。一方で、不透明な軍事力の拡張や、力・威圧による一方的な現状変更の試みを継続する動きには反対し、明確に一線を画す姿勢を示した。また、台湾をめぐる問題については、対話により平和的に解決されることを期待する立場に変更はないとした。
日本政府は、日中間に懸案があるからこそ意思疎通が重要であるとし、中国との対話にはオープンであり続ける姿勢を示しつつも、事実に基づかない主張には今後も冷静かつ適切に対応していく方針だ。
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