IMFが指摘する中国経済の不均衡 日本企業に広がる「チャイナ依存低減」の動き

2026/02/19
更新: 2026/02/19

世界経済の牽引役として注目され続けてきた中国経済が、今、大きな転換点を迎えている。国際通貨基金(IMF)が発表した最新の対中4条協議報告書によると、2025年の中国の実質GDP成長率は当局の目標である5.0%を達成している。

しかし、その内実は輸出主導の回復であり、国内の不動産不況やデフレ圧力、そして悪化する対外関係といった複合的な課題が、今後の成長軌道に影を落としている。

IMFは中国経済が複数のショックに対して「強靭性」を維持していると評価しつつも、成長モデルが深刻な不均衡に直面していると警告した。民間消費や投資といった国内需要は力強さを欠いている。

2025年の消費者物価指数(CPI)上昇率は0.0%にとどまり、生産者物価指数(PPI)はマイナス圏で推移するなど、デフレ圧力が定着しつつある。

中共当局は不動産部門の在庫解消や、地方政府の隠れ債務(LGFV)処理に向けた債務交換プログラムなど、リスク軽減策を打ち出し、中長期的な成長の柱として「新たな質の生産力(New Quality Productive Forces)」を掲げ、AIやグリーン技術などのハイテク産業への投資を加速させている。

しかし、IMFはこれらの措置だけでは不十分であると指摘する。輸出主導の成長モデルは、中国の経済規模の大きさや世界的な貿易摩擦の高まりを考慮すると、限界が見えているという。

マクロ経済の不均衡に加え、地政学的な緊張も企業活動に影を落としている。東京商工リサーチが2026年2月に実施した調査によると、日中関係の悪化が企業活動に「悪影響」を及ぼしているとの回答が26.6%に達し、前回調査(2025年12月)から11.0ポイント上昇した。

特に製造業への影響は顕著で、鉄鋼業では過半数の企業が受注減少などの影響を感じている。こうした状況を受け、企業の対策も変化している。対策として最も多かった回答は「調達面の中国依存の低減」(32.4%)であり、企業の「チャイナリスク」への対応が、単なる警戒から具体的なサプライチェーンの見直しへと移行していることが浮き彫りになった。

IMFの予測によれば、抜本的な構造改革が行われない場合、中国の成長率は2026年に4.5%、2030年には3.4%へと徐々に鈍化していく見通しだ。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます