中国 預金が奪われ、声を上げれば暴行

銀行預金凍結5年 返還求めた高齢者に暴行=中国

2026/03/01
更新: 2026/03/01

もしある日突然、銀行の預金が引き出せなくなったらどうなるか。しかも理由ははっきりせず、何度訴えても相手にされない。5年が過ぎ、生活は崩れ、ついに返してほしいと声を上げた高齢者が暴行を受ける。そんな展開は、にわかには信じがたい。

だが、中国では、まさにそれが現実になっている。

2022年、河南省と安徽省にある5つの地方銀行で、市民の預金が突然引き出せなくなった。問題発覚からまもなく5年になるが、いまも解決していない。被害を訴える預金者は千人規模にのぼる。

預金を取り戻そうと河南を訪れた人たちは、これまでたびたび拘束や暴力的な対応を受けてきた。

2月6日、旧正月前に鄭州を訪れた預金者らが現地で取り囲まれ、70歳近い男性が繰り返し殴られ、肋骨などを折る重傷を負ったと同行者が証言している。和解書への署名も迫られたという。

当局は、市民の預金凍結の件について、「違法な資金集め事件」だと位置づけている。そして、「自分も違法な資金集めに関わった立場だ」と認める書面に署名すれば、凍結された預金の約3割を返すという案を示していると、被害者側は主張する。

つまり、預金の一部を返してもらう条件として、「自分も違法なことに関わった」と認めるよう求められている。

凍結から5年。預金を引き出せないまま企業が倒産し、生活に行き詰まった家庭も少なくない。病や貧困の中で亡くなった人もいる。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!