普天間返還「認識の齟齬はない」小泉防衛相 滑走路条件の報道を否定

2026/02/23
更新: 2026/02/23

令和8年2月20日の防衛大臣記者会見およびその後の小泉防衛大臣の情報発信において、普天間飛行場の辺野古移設とそれに伴う返還条件を巡り、日米間の認識共有について詳細な説明が行われた。

記者会見での質疑応答では、「緊急時に長い滑走路を備えた代替施設が確保されるまで普天間飛行場が返還されないおそれがある」とする一部報道について問われ、大臣は日米間に認識の齟齬はない旨を強く主張した。

「長い滑走路の確保」は新たな条件ではない

一部報道で焦点となった「長い滑走路」に関する事項は、米国側から新たに突きつけられた条件ではない。これは平成25(2013)年に日米両政府で合意・公表された「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」において、普天間飛行場の返還条件として示された8項目のうちの一つである。統合計画では、「普天間飛行場代替施設では確保されない長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善」と明記されている。小泉大臣は、これがあたかも新しい論点であるかのように取り上げられているが、これまで国会でも議論され、政府から度々説明してきている既存の合意事項に過ぎないと指摘した。

有事の対応であり、事前の施設特定は不要 

記者からは、「日本政府が緊急時に使える長い滑走路を事前に選定するまでは返還されないという認識か」との問いが飛んだ。これに対し大臣は、この条件があくまで「実際に緊急事態が発生した際の対応」であることを強調した。 国民の命と平和な暮らしを守るため、有事に際して政府が必要な対応をとるのは当然であり、その調整を行うための「特定公共施設利用法」などの法的枠組みは既に整っている。そのため、緊急事態の発生前に特定の民間滑走路を代替施設として事前に決定・アナウンスしておく必要はなく、事態に応じて適切な調整を図ることが可能であるとの認識を示した。

日米間の認識に「全く齟齬はない」 

米国防総省から出されたとされる内部文書に関する報道について、大臣は「米国内のやり取りに関する一つ一つについて日本側から答えることは差し控える」とした。しかし同時に、米国側は普天間飛行場代替施設の建設や同飛行場の返還を含め、二国間の合意に基づく「条件ベースの米軍再編の実施を継続する」との公式な見解を示していると説明した。 このことから、日米間の認識には「全く齟齬はない」と繰り返し強調し、この「長い滑走路」の条件が達成困難になるような特段の問題は生じていないと断言した。辺野古への移設完了後も、この条件を理由に普天間飛行場が返還されないという状況は「全く想定していない」と報道の懸念を明確に否定している。

会見の終盤では、米国の公文書の原文を直接読んだのかと迫る記者に対し、激しい議論が交わされる場面もあった。大臣は、膨大な政府内文書の一語一句を政治家個人が全て追うことは現実的ではないとしつつ、防衛省のスタッフによる緻密な確認と対応を全面的に信頼した上で、最終的な大臣としての責任を果たしているという姿勢を鮮明にした。

日米同盟の抑止力維持と、普天間飛行場の危険性除去を両立させるため、政府は引き続き辺野古移設が唯一の解決策であるという方針を崩していない。防衛省は今後も米国との間で必要な協議や調整を進めつつ、一日も早い全面返還を目指して着実に工事を進めていく構えである。

大紀元エポックタイムズジャパンの速報記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。